コラム

交流電源 がオーバーロードで上手く試験できない時

電源変動とトランス負荷 電源変動試験は一般に商用交流電源を電源とする各種機器の誤動作の有無を確認するために行います。電源変動試験にも、瞬時停電、電圧降下、高調波印加試験など多種あります。特にトランスを用いた電源を内蔵して […]
投稿日-2017年2月

 

電源変動とトランス負荷

電源変動試験は一般に商用交流電源を電源とする各種機器の誤動作の有無を確認するために行います。
電源変動試験にも、瞬時停電、電圧降下、高調波印加試験など多種あります。特にトランスを用いた電源を内蔵している機器、または途中に昇圧トランスなどを挟んで試験している機器に対して瞬時停電試験を行う場合、設定条件によっては、トランスに過大な電流が流れる(交流電源 がオーバーロードとなって上手く試験できない)場合があります。ここでは、その過電流が流れる原因、および、過電流が流れないようにする設定条件などについて説明します。

過電流が流れる場合とその原因

試験システムの構成図を(図1)に示します。

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(図2)は交流電源PCR-LEシリーズで瞬時停電をおこし、発生した過電流の波形です。(a)の瞬時停電は完了していますが、次にマイナス側のサイン波が来たときに(b)の様に過電流が発生していることがわかります。

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その原因はトランスの磁束飽和が(b)のタイミングで起こるからです。つまり、トランスの磁束は(a)の瞬時停電がなければサインの山によりリセットされるところが、停電によってリセットされず、マイナスの磁束が残った状態になってしまっています。

そこに次のマイナスのサインの山が来ることによりさらに磁束がマイナスになり、飽和磁束密度を超えてしまい、ついには励磁のインダクタンスがほぼゼロになり、インダクタンスがなくなるので、(b)の様に過電流が発生しています。(図3を参照)

図3

その後、電流電圧の暴れがありますが、これは交流電源の電流制限(ocp)によって電流制限がかかったりかからなかったりするため変動しています。

過電流が流れない瞬時停電条件

図4は、過電流が発生しない瞬時停電条件での電圧電流波形です。50Hzの位相角90度から10ms間の瞬時停電を発生しています。

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これを見ると、(図4)の電圧の(c)の山と(d)の山が同じ大きさであることがわかります。つまりプラスの磁束とマイナスの磁束が同じ大きさで、結果として磁束がリセットされている(打ち消しあっている)ことがわかります。
このように1サイクル内でプラス側の電圧波形とマイナス側の電圧波形が対象である場合には、過電流が流れません。

実際の規格、たとえばIEC/EN 61000-4-11の電圧ディップ/瞬時停電においては、下記のような注意書きがあり、各電気製品の(規格策定)委員会に注意をするように促しています。

電源変圧器を備えた製品に対し0.5段階の持続時間の妨害の性能基準を設定する場合、製品委員会は、流入電流から発生する影響に対し特別な注意を払うのが望ましい。そのような製品については、電圧ディップ後の変圧器鉄心の飽和磁束により、これらが定格電流の10〜40倍に達することがある。
*1/2サイクルを意味します。

なお、どうしてもオーバーロードになってしまう場合は、交流電源の定格容量を上げるのが、やはり得策と思われます。菊水電子 の 交流電源 PCR-LEシリーズであれば、不足分を補える容量のモデルを並列運転させることで対応することができます。例えば2000VAモデル(PCR2000LE)と4000VAモデル(PCR4000LE)を別売オプション(並列運転ドライバ)を用いて並列運転させ、6000VAの交流電源として使用することができます。その際は、両モデルのファームウェアバージョンが同じである必要があります。また、最新版のファームウェアにアップデートしてご使用ください。ファームウェアは当社Webよりダウンロードできます。

神崎

執筆者: 神崎

[主な製品開発実績] 直流安定化電源 PAD-Lシリーズ、PMCシリーズ、PANシリーズ、特注品、 交流安定化電源 PCRシリーズ、 充放電電源装置 PFX40W-08、PFX20W-12、特注品、 電子負荷装置 PLZ-3Wシリーズ、 パワーサプライコントローラ DPO2212A、PAK-E2、PIA3200、 [営業実績] Aeroflex製品営業

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