下図のように電子負荷装置とは、実はシャントレギュレータというれっきとした直流電源の一種です。
通常電子負荷装置は最低動作電圧が規定されています。トランジスタの Vce が 0V では動作しないからです。 そのため、例えば「電池の転極試験をしたい」といった場合、バイアス電源と呼ばれる直流電源を直列に挿入します。
するとその電源が電池のマイナス電圧分を補填してくれます。例えば電池が −1V になっても4Vの Vce が確保でき、電子負荷で放電を続ける事が可能となります。この場合の「バイアス」とは「偏り」を意味しますが「オフセット」と呼んだ方が近い表現かな?と思います。バイアス電源を「ゲタ電源」とも呼びますがこの方がしっくりきますね。
実際は負荷ケーブル等の損失による電圧降下もありますのでバイアス電源が 5V の場合 Vce は最低でも約2Vくらいが確保できます。当然、負荷ケーブルを「太く・短く」すれば電圧降下は少なくて済みますので Vce は更に高くなります。
PLZ664WA等製品形名末尾に「A」とある当社電子負荷は、装置内部にバイアス電源を実装している製品です。 PLZ70UAも「A」付きとなりますので動作範囲は「0V〜」となります。
ちなみに下図の「追加電源(5V/60A)SPEC70548」は、充放電システム用に特注製作した固定電源です。筐体はPWR400Lを流用しています。
当社の標準製品として固定出力電源といったものはありません。しかし、市場で入手できる固定電源を利用して、それをケースに収納し、ON/OFFスイッチや強制空冷ファンをつけて安心して使えるように仕立てるといったことも、特注として承ることができます。ご要望があればお見積出来ますので、当社営業までお問い合わせ下さい。