課題
耐電圧試験器、仕様書だけで選定されていませんか?
耐電圧試験は、電気製品の安全性を確保するために重要な安全試験の一つです。そのため、商用電源で動作する製品には全数検査が求められています。各種安全規格では試験電圧値や試験時間が定められていますが、試験電圧の波形品位までは規定されておりません。そのため、一般的な耐圧試験器はACラインの入力電圧をスライドトランスを使い昇圧して出力するタイプがほとんどです。実はこのことが、試験の確実性と再現性を低下させる要因になっています。
解決
一般的な耐電圧試験器で採用されているスライドトランス方式は、商用電源(ACライン)を昇圧して出力しています。この方式はとてもシンプルですが、商用電源の電圧変動や波形歪がそのまま試験用出力に反映されてしまいます。ピークがつぶれたり、正弦波から大きく外れた波形でテストすると、信頼性や再現性が大きく損なわれてしまいます。また、歪んだ電圧を被試験物に印加する事は新品不良の原因を作ってしまう(部品劣化の加速)場合もあるのです。
特に新興国の生産ラインなど電源事情が悪い地域で耐圧試験を行う際は注意が必要ですが、比較的商用電源が安定している日本においても、生産設備がフル稼働で動いている時間帯と昼休みの時間帯では、商用電源の電圧値に差が出ることは良く起きる現象ですので、例外ではなりません。
では、この問題はどうしたら解決できるでしょうか?答えは、PWMアンプ方式の耐圧試験器を選定すれば良いのです。
※弊社製品ですとTOS5300seriesやTOS9300seriesがPWMアンプ方式になります。
PWMアンプを搭載した耐圧試験器であれば、商用電源を整流し交流を再生成しているので、不安定な商用電源に影響を受けない安定した高電圧を出力できます。商用電源の電圧変動を気にせず、安心して、信頼性の高い試験を行うために、耐電圧試験器の出力波形は、仕様書には書かれていない重要な要素なのです!