ご指摘の通り、満たしていません。TOS8850は、1986年設計の製品です。
当時、試験設備の基準の理解として1.5級のメータであれば適合とし、そこで1級のメータを搭載し、内部検出回路の仕様から、測定確度を±3%としていました。他社を含めても、1.5%の計測確度を持った耐電圧試験器がなかったことと、TOS8850をはじめ当時販売していた当社製品は公的試験場にも採用実績があり、問題ないものと認識しておりました。
しかし、1995年頃に通産省(現在の経済産業省)へ確認したところ、電圧測定確度として1.5級(1.5%)が必要との返答があり、それ以降はカタログ等より、電安法(当時の電取法)の記載を削除。1997年に生産終了といたしました。
従いまして、TOS8850を使用して、電安法に則った試験を行う場合は、そのままでは電圧測定精度が確保できないため、外部に高電圧デジタルボルトメータなどを常時取り付け、電圧確認はそのメータでおこなうか、1.5級として校正し、1.5%以内にあることを確認のうえ使用するしかありません。しかしながら、2000年以前に生産終了し、試験器自体の経年劣化もあることから、あまり現実的ではないかと考えます。
現在、当社で販売している耐電圧試験器はすべて1.5%の電圧測定が可能となっております。現行の製品をお使いいただく方が試験の信頼性を確保する観点から得策ではないかと思います。
※電安法の場合は、試験器のトランス容量500VA以上という要求事項もありますので、その点もご留意ください。
(簡易型のTOS8030はトランス容量が30VAなので不適応となります)