コーヒーブレイク コラム

還暦ジャパンに秘策?あり 〜電力会社だって選べる時代になったのなら〜

前回は、人と同じように 企業にも寿命があるぞ、という話を記した。 しからば、国にもあるのではと思って調べてみた。 有史以来の世界の王朝の盛衰を研究する識者によると どうやら国(1王朝または国家制度)の平均寿命は約200年 […]
投稿日-2016年6月

 

前回は、人と同じように
企業にも寿命があるぞ、という話を記した。
しからば、国にもあるのではと思って調べてみた。

有史以来の世界の王朝の盛衰を研究する識者によると
どうやら国(1王朝または国家制度)の平均寿命は約200年。
100年程度なら短期、300年も続くと長期と見ることができる。
江戸時代(徳川幕府)の期間は265年が定説となっているが
世界的に見てもこれは長期に属することになる。

そして、近代日本の起点を明治元年(1868年)とするならば
2016年の時点で148年目。
日本人の平均寿命に例えるなら
還暦直近のお父さん、お母さんであろうか。

かつての「還暦」は「おじいさん」のイメージであったが
ご存知の通り昨今はかなり「若い」。
郷ひろみさんは61歳だという。
特殊な例ではあろうが、
やりようによっては、相当の年齢まで
見た目の若さを維持することができるようだ。

しかし加齢への抵抗にも限界がある。
やはり同じように年齢を感じさせないタレントの関根勤さんが
テレビ番組企画で受診した心臓ドックで病変(血管狭窄)が見つかり
予防処置として緊急手術を受けていたというニュースがあった。

関根勤さんは62歳だという。
その顛末をドキュメンタリーにした番組を見たが
どう見ても62歳には見えない。
しかし肉体は静かに老化していた。
幸い手術は無事成功し「孫の成人式までは死なないぞ」と
言えるほどにお元気なようだ。
言葉の通り活躍される姿をこれからも拝見したいなと思う。

余談だが、この心臓手術は開胸ではなく
手首の血管から細いカテーテル(チューブ)を挿入し
それを使い遠隔的に病変部の治療を行うというものであった。
切開がないので、手術中に会話はできるし
翌日には退院でき、そのまま仕事へ向かったという件に
ちょっと驚いてしまった。
科学者や医者を乗せた特殊潜航艇を縮小し
人間の体内に潜入し治療をするというSF映画(ミクロの決死圏)があるが
現実はそれに近づいているらしい。

話を戻そう。

国(国家制度)にも寿命があり、永遠という幻想はない。
なので、還暦を迎える日本の場合さらなる成長などあり得ず
「寿命を全うする」だけでも御の字と見るのが順当ではないか。
(アラ還のみなさん、お気を悪くされないでください。あくまで例えです・・・)

日本の抱える2大問題は「人口減少」と「基幹産業の斜陽化」だ。
この2つの大問題が交錯して多くの問題事象が起きているとのだと思う。
さらにその2大問題の底流には
「ボーダレス・グローバル化する世界=垣根のない大競争」と
「国家のライフ(サイクル)ステージの進行=成熟から衰退」という
抗いようのない不可逆の大潮流がある。
今日の問題事象の解消・解決策として
様々な施策が検討または実施されてるが
その多くは残念ながら絆創膏や痛み止め的な「対症療法」でしかない。

船底に穴が開き、もはや沈没を免れようがない船で
せっせと帆の破れを繕ってるようなものだ。
帆が風を受けるようになれば船は進むだろうが、沈没を免れられるわけではない。
ならば穴をふさげばいいと考える。
しかし、海中に棲む魔物は槍を突く手を止めることがない。
むしろ穴はどんどん増えて大きくなるばかり。

残された道は浸水する速度をどれだけ遅くできるかという「撤退戦」である。
沈没までの時間を稼ぎ、その間に船が進むのであれば
運良くどこかの島にたどり着き、最終的な損失を最小化できるかもしれない・・・
日本はそんな状況だ。

高度成長の夢よ再び、さらなる成長戦略を・・・。
もういい加減、変な夢を吹き込もうとするのは止めたらどうだ。
さりとて、「あんたもう長くないんだから諦めろ」というのもあまりに非人情。

繰り返すが、永遠の命はない。だが方法はある。
それは「次代に託す」こと。
だがそれも、若者を使い捨てるブラック企業、
児童虐待や保育園建設反対などの報道を見聞きするに、
そういう思考は持ちえていないのかと、落胆する。

しかし諸君、絶望するなかれ。こういう秘策もある。
それは船の中に「船を作る」という方法。
毎度々申し訳ないのだが、敬愛する小松左京先生にまたご登場願おう。
それは「第二日本国誕生」という。初出は1969年。

主人公は、フリールポライターの男。
あるとき深夜に乗ったタクシーで「それ」は起きた。

タクシーが途中「ネズミ捕り」に引っかかってしまう。
タクシーに近づく警官。
「だいぶとばしていたな。」
「30キロ以上オーバーだから、罰金と免停1ヶ月だ」
なんとか手心をと、処分減免を乞うタクシーの運転手。

「我々もこれが役目だし、規則は規則・・・」
そこで鈍い音とともに警官の声が途切れ、ズルズルと倒れ込んでしまう。
何が起きたのがわからず茫然とする運転手と主人公の目に
黒ずくめの服、ヘルメットをかぶる男が映った。
黒ずくめの男が言う。
「92キロか、10キロオーバーだな」
「罰金は1000円。今払えば免許証にキズはつかない」

「あ、あんたは誰です?」と運転手。
「我々は『もうひとつ別の警察』の者だ。」
倒れた警官を顎で指しながら
「こちらの警察にひっかかれば罰金3万円(※)、免停一ヶ月。
『我々の警察』なら罰金千円、免停はなし。どうする?選ぶのは自由だ」

にわかには信じられないものの
さらに、レーダーの記録は全て削除したので
心配はいらないと続ける「黒い警官」に千円を払い
タクシーは猛然とその場から走り出した。

そんな妙な出来事の後、主人公の周囲に
同じような「もうひとつの存在」が姿をあらわし始める。
税務署で、郵便局で、タバコ屋で・・・。
共通するのは、全て「安い」ということ。
「もうひとつの存在」である第二日本国が秘密裏に組織され
旧体制よりも優れたサービスで顧客(国民)を獲得しようとしていたのだ。

そしてある日、第二日本国が大々的なPR活動を始めた・・・!

※当時の反則金

嫌なら他の国へ行けば良い。
個人ならそういった行動も可能だろうが
何万人、何十万人という単位になれば民族大移動。
シリア難民がまさにそれで、
かなりの困難を伴うことは想像に難くない。

ならば船の中に「新しい船」を作ってしまえば良い。
古い船は魔物の槍の盾として残し、
攻撃をいなす間に「新しい船」を漕ぎ出す準備をする。
もしかして道州制の本質ってこういうことなのか。
道州制=第二日本国(複数)だとすると敵対関係になるのだから
今の体制が難色を示すのも合点がゆく。

第二日本国のアイディアが面白いのは
国家制度(統治機構)だって択一(独占)でなく
自由な選択肢があってもいいじゃないか、というところだ。
電力会社だって選べる時代になったのだし・・・。

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執筆者: 藤川

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