2018年1月、直流安定化電源の基礎知識を楽しく学べるマンガ、 「俺の後輩が可愛いのは たぶん何かの間違いだ(通称:ハイカワ)」を、 当社サイトにて連載開始しました。 今回はそのメイキングといいますか、 その背景をコーヒ […]

コーヒーブレイク コラム

[番外編]キクスイが萌えているのは、たぶん何かの間違いだ?? 〜直流電源の学習マンガ(ハイカワ)を始めた理由〜

掲載日-2018年5月 ※記事は当時の掲載日をご確認ください。現在の製品情報や価格、技術についての最新情報ではない可能性があります。ご了承ください。

2018年1月、直流安定化電源の基礎知識を楽しく学べるマンガ、
「俺の後輩が可愛いのは たぶん何かの間違いだ(通称:ハイカワ)」を、
当社サイトにて連載開始しました。
今回はそのメイキングといいますか、
その背景をコーヒーブレイク「番外編」としてお届けします。

当初全く別のネタを書く準備をしておりましたが、
内容が結構難しく筆がなかなか進まない(墓穴掘った格好です・・・)。
一方マンガの連載が折り返し地点を通過し、
小難しい話はいずれということにして、
そろそろ楽屋ネタを披露してもいいかと思ったわけです。

また今回は文体をいつもの「である」調ではなく
「ですます」調にしました。
その方がマンガを語る体としてよろしいかと・・・

かつて「マンガ」は子供向け、一部のマニアや「ヲタク」向けの
サブカルやカウンターカルチャーとして扱われてきました。
マンガは大人になったら「卒業する」ものでした。
しかし時代は変わり、マンガやアニメは世界に誇るクールジャパンの今や筆頭格。
「萌え」というスラングを知らない人はいないのではと思います。

一般企業はもとより、あの(お堅いイメージの)自衛隊でも萌えが止まらない。
知らない方はぜひ「自衛隊 萌え」でググってください。
衝撃必至と思います(笑)。
とりわけ若い世代なら、なんの抵抗感もないでしょう。
「マンガ=幼稚」は過去のものです。

一方、当社の課題に目を転じると、
歴史は長いですが、実は「顔」がありませんでした。
というかその必要がなかったのだと思います。
作っている製品は「業務用」で、お客様のほとんどが「法人」です。
お客様の求める実用性とコスパ(=機能)が実現されれば、
それ以上は必要ないのです。

電機業界を支える裏方として、
堅実に経営されていればそれで十分だったのでは、と思います。
ですがこちらも時代が変わりました。
かつては「製品」さえキチンと出来ていれば、
それが「顔」となり社会とのコミュニケーションが機能しました。
しかし昨今「黙ってまじめにやっている」だけでは
社会から評価されなくなってきています。

裏方の存在でも誰かが見ていてくれる(わかってくれる人がいる)
というファンタジーは文字通り「幻想」でしょう。
仕事「さえ」やっていればそれで貢献している(と思う)。
そういう価値観が通用しにくくなったのです。
それはまるっきり「昭和のお父さん」のようです。

少し前ですが「インテル入ってる」というキャンペーンがありました。
これによってインテルは、
自社を単なる機能提供者(電子部品メーカ)の地位から、
相手先製品の品質を担保するブランド(無二の存在)として、
世間に認知させることに成功しました。

重要なことは自分の存在を、自ら知らせることです。
「言わぬが花」という価値観からすると、
(昔「男は黙ってサッポロビール」というキャッチコピーもありました)
下品でえげつないように感じるかもしれませんが、寡黙はもはや悪です。
時代は「アピールしてなんぼ」になったのです。
実は「Pobby」というマスコットも「キクスイマグ」という活動も、
根底にこの考えがあります。

当社を「(モノもいいが)存在がオモシロイぞ!」と
思っていただきたい。
そう思ってくれた人が、やがて顧客、社員、株主になってくれるはず。
そのための究極兵器(笑)として「マンガ」の投入です。
マンガは今もっとも有効な差別化戦略だと考えたからです。

Youtubeやニコ動を筆頭に「動画」が流行ってます。
しかし機材(スマホ等)の性能向上、機能進化とともに
制作(編集手段)の敷居が下がったため、
素人でもそこそこのクオリティで作品が作れるようになりました。
つまり相当高度な手法や内容を持ち込まないと、
動画での差別化が難しくなりつつあるのです
(むしろ逆に、素人くさいほうがウケたりします)。

しかしマンガは違います。
それこそ道具は誰でも手に入るモノ(最低、紙とペン)ですが、
「読み応えのあるクオリティ」を出そうとすると、
作画技術とともに、とんでもない手間とアイディアが必要です。

子供時代の夢が漫画家だったので、制作方法を知ってはいました。
しかし今回実務でやってみて大変な作業だと心底思いました。
マンガは簡単なようで、実は模倣する障壁が高い。
差別化戦略としてはかなり有効だと再認識しました。
そして「堅物イメージの当社+マンガ」というギャップと相俟って、
これはウケるはずだと。

2018年1月に掲載を開始しましたが、
当社営業マンからの報告を聞いたり
Twitterなどの(読者)反応をこっそり覗き見ますと
かなりの衝撃(笑)が走ったようです。

「き、菊水電子工業さん! ど、ど、どーしちゃったんですか!」
「な、なにをおっぱじめたのだ(^_^;)」
「菊水が萌えに走ってるん…どーしたの?www」
「おい 菊水が壊れだぞ」など。

私は心の中で「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とガッツポーズしました。
内心では、ボコボコにされることも覚悟していたので、
いまのところ9割方が好意的で正直ホッとしています。
しかしどこで悪評へ転落するかわかりません。
ネット民の皆さんは辛辣です・・・気が抜けません。

また先日の展示会(テクノフロンティア)でわかった事実ですが
同業者や競合他社さんの読者さん(ファン?)が
意外といらっしゃるようです。
「月1回の更新じゃ物足りない、もっと早くなりませんか?」、
「すっごい楽しみにしてます」などと、
こっそり打ち明けてくださいました(笑)。

そうなんです。
このマンガの起点は自社の利益のためではありますが、
内容的には実験用直流電源の一般知識ですので、
業界全体の利益、つまり全体の「底上げ」につながる
無形資産になるはずなのです(大きく出たよ・・・)。
なので、ぜひ同業者や競合他社さんも
会社の垣根を越えて、応援していただけると嬉しく思います。

今、NHKの朝ドラマ「半分、青い。」では、
漫画家を目指す女の子の話を描いており、
シーンとしてマンガの制作作業風景が出てきます。
ただ時代設定が80年代なので、ほとんどが手作業です。
今はデジタル化が進み、だいぶ様子が変わっていますが
それでもマンガ制作現場の雰囲気が伝わり、見ていてとても楽しいです。
主人公の鈴愛(すずめ)ちゃんも可愛いくて面白い。

このドラマの放送期間とハイカワの連載更新期間が
ちょうど重なりますので、同時並行して見ていただけると、
楽しさが増すかもしれません(笑)。

完結まであと半年ありますが(全10話)、
最後まで全力で駆け抜けたいと思っていますので、
ご期待ください。
よろしくお願いいたします。

執筆者: 藤川

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