LAN/USB標準装備のドロッパ直流電源 PAN-Eシリーズ 販売開始のおしらせ
2019年10月1日
10月 01 ,2019
菊水電子工業(本社:神奈川県横浜市 代表取締役社長:小林一夫)は、高信頼性直流安定化電源「PAN-Eシリーズ」を発売し、2019年10月末より出荷開始いたします。
可変型直流電源の回路方式は「ドロッパ(シリーズレギュレータ)方式」と「スイッチング方式」に大別されます。近年は小型軽量で可搬性に優れたスイッチング方式の製品が市場を大きく占めていますが、出力品位が求められる用途(半導体や通信デバイス、高品位メッキ等)については、筐体容積と重量に難点があるもののリップルノイズが少ないドロッパ方式が依然として支持され、底堅い需要が今もあります。ちなみにドロッパ方式採用の当社ロングセラー製品PAN-Aシリーズは、1998年の発売以来約84000台を販売しております(2019年8月時点)。
一方、直流電源のアプリケーションとして、パソコン等による外部・遠隔制御での利用が増えています。しかし前述のPAN-Aシリーズにおいては別売の外付けインターフェースが必要であり、使い勝手やコスト面で望ましいものではありませんでした。このような背景から、出力品位が良く、LANやUSB等を標準装備したドロッパ直流電源の潜在需要はあると考え、PAN-Eシリーズを開発するに至りました。
PAN-Eシリーズは、従来品(PAN-Aシリーズ)相当の出力性能を有し、CPUと高分解能DA・ADコンバータを採用することで、微細な出力値の読取り/出力設定をマニュアル操作はもちろん、LAN/USB/RS232Cいずれかのケーブルが1本あれば、パソコンでの制御が簡単におこなうことができます。 LANについては、LXI(LAN eXtention for Instrumentation)に対応。パソコン、タブレットPC、スマートフォンのブラウザを用いてネット接続されたPAN-Eシリーズを制御.監視することが可能です。
また従来品同様、アナログ外部制御やモニタ出力も装備しています。
ドロッパ(シリーズレギュレータ)方式は「古い枯れた技術」と思われがちですが、いまだ雑音性能や応答性においてはスイッチング方式に勝る点があり、堅牢な設計として現在も十分に通用する回路方式です。このドロッパ方式と最新のデジタルインターフェースの組み合わせによる新たな価値を、PAN-Eシリーズにパッケージングいたしました。なおPAN-Eシリーズは、当社国内事業所での生産(メイドインジャパン)となります。
また従来品であるPAN-Aシリーズは、PAN-Eシリーズ発売後も販売を継続いたします。既存設備のメンテナンス(交換)等で引き続きご用命いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
ラインアップ
モデル名 | 出力定格 | 当社標準価格 |
---|---|---|
PAN16-10E | 0~16V/0~10A | ¥160,000+税 |
PAN35-5E | 0~35V/0~5A | ¥156,000+税 |
※モデルは今後拡充予定あり
主な特長
- 出力品位に優れたドロッパ(シリーズレギュレータ)方式
- 高い設定分解能:電圧:1mV/電流:100μA(PAN35-5E)
- リップルノイズ:0.5mVrm/2mArms
- 過渡応答:50μs(後面OUTPUT端子台、リモートセンシング使用にて)
- LAN(LXI)/USB/RS232Cインターフェース標準装備
- 外部アナログリモートコントロール
- モニタ&ステータス信号出力
- ワンコントロール並列運転機能(同一モデル最大3台まで)
- ワンコントロール直列運転機能(同一モデル最大3台まで)
- CV、CC優先起動機能(出力オン時のオーバーシュートを防止)
- リモート・センシング機能付
- キーロック、3点メモリ機能
- 前面出力端子用安全カバー付
販売データ
●市場:
自動車電装・部品市場、IoTセンサ等の開発・生産設備、大学等研究所の実験設備
●出荷開始:
2019年10月末より
●販売目標台数:
1000台(年間)
本件に対するお問い合わせ
菊水電子工業株式会社 営業推進部 営業推進1課
〒224-0032 横浜市都筑区茅ケ崎中央6番1号 サウスウッド4階
E-mail:hanbai@kikusui.co.jp