高電圧大容量直流電子負荷装置
PLZ-5WH2シリーズ
高い信頼性と安全性を基本に設計された高電圧、多機能、大容量の直流電子負荷です。1kWのベンチモデルから単一セットで20kWの高電圧大容量モデルまで幅広くラインアップ。負荷に合わせて最適な容量を選択できます。安定で速い応答を可能にする電流制御回路を装備し、負荷シミュレーションを高速で実施できます。
性能・機能
大容量電源 / 大容量蓄電池などの評価に!
負荷をイメージ通りに再現。よりリアルな評価を実現!
PLZ-5WH2シリーズは、高い信頼性と安全性を基本に設計された高電圧、多機能、大容量の直流電子負荷です。1kWのベンチモデルから単一セットで20kWの高電圧大容量モデルまで幅広くラインアップ。
負荷に合わせて最適な容量を選択できます。安定で速い応答を可能にする電流制御回路を装備し、負荷シミュレーションを高速で実施できます。また、電流設定は高精度化が図られ、十分な設定分解能を保有しています。ディスプレイには、カラー液晶(LCD)を採用。視認性の高い表示が可能です。LAN、USB、RS232C の通信機能が標準装備されているので、各種検査システムへの組込みが容易です。
大容量電源 / 大容量蓄電池などの評価に
動作モード
PLZ-5WH2シリーズ は、下記の5つの動作モードを備えています。また、CVモード以外の動作モードでは、電流を流しすぎて電圧がUVP設定値以下にならないように電流をコントロールする「UVPL ※」やロードオフする「UVPT」などを設定することもできます。 ※「UVPL」は、PLZ-5Wシリーズにおける「+CVモード」
任意IV特性(ARB)モード
並列運転:最大5台、100kWまで可能
通信インターフェース標準装備
ロードオン・オフ動作
システムに応じて柔軟に対応します。ロードオン・オフ動作は通常操作のほかに下記を選択可能です。
- 電源投入時にロードオンの状態で起動
- ロードオンの経過時間を表示
- 一定時間経過時間後にロードオフ
- リレー等の外部信号によってロードオン・オフ
- 条件を設定してロードオフする(カットフ機能)
カットオフ機能
応答速度の変更
ソフトスタート機能
データロギング機能
表示部に表示された最新の測定値(電流/電圧/電力)を内部メモリーに記録します。測定値の記録条件を設定することで、各測定値を記録するタイミングを制御できます。測定したデータは、テーブル(Table)または図(Chart)で表示できます。
条件 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
Trigger | – | 測定値を記録するタイミングや回数を設定。 |
Source | – | 測定値記録の条件となるイベント(トリガソース)。Initiate キーを押した。あと、トリガが適用されると記録を開始。 |
Immediate | Initiate キーを押すと即時にトリガを適用。 | |
BUS | PC からTRG コマンドを受信したとき、または前面パネルでTRG キーを押したときにトリガを適用。 | |
DIGITAL2 ※ | EXT CONT コネクタの13 番端子に信号入力されたタイミングでトリガを適用。 | |
MSync | 同期接続中のPLZ-5WH2 でトリガの適用タイミングを同期。 | |
TALink | シーケンスのステップ設定でGenerateにTALink を設定した場合、ステップ実行のタイミングでトリガを適用。 | |
Load Off | ロードオフしたタイミングでトリガを適用。 | |
Count | 1 回〜 65536 回 | 測定値を記録する回数。 |
Delay | 0 μs 〜 100 s (分解能:10 μs) | トリガ適用時から測定値記録までの遅延時間。 |
Interval | Disable(無効)/ Enable(有効) | Count が2 以上のとき、記録と記録の間隔を空けるかどうか。 |
Interval Time | 10 μs 〜 3600 s (分解能:10 μs) | Interval を有効にした場合の記録間隔の時間。 |
Sense Aperture | 10 μs 〜 1 s (分解能:10 μs) | 1 回あたりの記録時間。時間内の平均値が記録される。 |
※ Digital2 のDirection がInput に設定されている場合のみ。
データ積算機能
積算電流、積算電力、経過時間を記録することが出来ます。記録期間やリセットは任意で設定可能です。また、積算データの表示/非表示を設定可能です。
測定データの保存
記録した測定値と積算データをCSV形式でUSBメモリーに保存できます。
負荷をイメージ通りに再現。
よりリアルな評価を実現!
パルス機能
2値の設定を繰り返して実行する動作を「パルス機能」といいます。大容量の電源の過渡応答特性試験や蓄電池のパルス放電試験に適しています。パルス動作時は、前面パネルの TRIG OUT コネクタからトリガ信号が出力されます。ロード オン/オフにかかわらず設定できます。CC モードおよび CR モードで動作します。パルス振幅は、数値または負荷設定値に対する比率で設定できます。
パルス動作時は、電流が LOW(Depth)から HIGH(Set)に切り替わるときに前面パネルの TRIG OUTコネクタからトリガ信号が 10µs出力されます。
サイン機能
正弦波状に電流を変化させる動作を「サイン機能」といいます。大容量の電源や蓄電池のリップル重畳試験に適しています。サイン動作時は、前面パネルの TRIG OUT コネクタからトリガ信号が出力されます。ロード オン/オフにかかわらず設定できます。CC モードで動作します。スルーレートの設定はできません。サイン振幅は、数値で設定できます。
サイン動作時は、電流がSet値を増加しながら通過するとき(サイン波位相角0度)に前面パネルのTRIG OUT コネクタからトリガ信号が 10µs出力されます。
シーケンス機能
シーケンスは、プログラムとステップで構成されます。プログラムは、ステップの集合体です。ステップは、ステップ 1 から 1 つずつ昇順に実行されます。最後のステップが終了すると、プログラムが 1 回実行されたことになります。指定されたループ回数分プログラムが実行されると、シーケンスが終了します。シーケンス終了は、ロード状態(ロードオンまたはオフ、負荷設定値、スルーレート)を設定できます。
設定範囲 | 設定項目 | 内容 |
---|---|---|
ステップごと | 負荷設定値 | 電流値、コンダクタンス値、電圧値、電力値 現在の動作モードによって設定できる値が異なる |
スルーレート | 電流を変化させるときの変化の速さを設定(CC のみ) | |
ステップ実行時間 | 0.000050 s ~ 3600000 s (50 μs ~ 1000 h)、分解能:1 μs | |
ロードオン/オフコントロール | ロードオンする場合は、負荷設定値の遷移方法をステップまたはランプから選択 | |
その他 | トリガウェイト設定、トリガ信号出力 | |
プログラムごと | プログラムのループ回数 | 1 回~ 100,000 回、または無限 |
保護機能 | 保護機能(OCP、OPP、UVP)を作動させる値を指定 |
TALink
TALink(Transient Acquire Link)トリガを用いると、シーケンスのステップと同期して PLZ-5WH2 にデータをロギングさせることが可能です。ロギングしたデータは PLZ-5WH2と通信をすることで取得できます。または、CSV 形式で USB メモリに保存することができます。
アラーム機能(保護機能)
異常を検知したり、DUT を保護する機能です。アラームには、緊急度によりアラーム 1(緊急度高)、アラーム 2(緊急度低)があります。
アラーム 1(緊急度高)
名称 | 動作 |
---|---|
過電圧検出(OVP) | ロードオフ |
逆接続検出(Reverse) | |
過熱検出/前面 DC INPUT 端子の過電流検出(OTP/Front) | |
アラーム入力検出(External) | |
並列運転異常検出 |
アラーム 2(緊急度低)
名称 | モード | 動作 |
---|---|---|
過電流保護(OCP) | CR、CV、CP | ロードオフ、または制限 |
過電力保護(OPP) | CC、CR、CV、ARB | |
低電圧保護(UVP) | CC、CR、CP、ARB | ロードオフ、制限、または作動オフ |
ウォッチドッグ保護(WDP) | 全モード | ロードオフ |
UVP 等の設定では、電圧が設定値以下になったとき電流に制限をかける(UVPL)、または ロードオフする(UVPT)の設定が可能です。ロードオン/オフにかかわらず設定できます。
Trip | ロードオフします。設定値表示が UVPT になります。 |
---|---|
Limit | 設定値以下にならないように、電圧を制限します。設定値表示が UVPL になります。 |
ABCプリセットメモリ
ABCプリセットメモリは、負荷設定値を A、B、C の3つのメモリに保存できます。メモリー内容が1 回の操作で呼び出しできるので、設定値を順番に切り替えて使用する場合に便利です。
セットアップメモリ
セットアップメモリは、現在の状態における下記の項目を本体メモリに 20 個(0 ~ 19)、またはUSBメモリに保存できます。
- 動作モード
- 負荷設定値(電流値、コンダクタンス値、電圧値、電力値)
- スルーレート
- パルス振幅(電流値/コンダクタンス値、または比率)
- パルス間隔(周波数/1 周期の時間と、デューティ比/ HIGH 側の動作時間)
- サイン振幅(電流値)
- サイン周波数
- アラームの作動条件
- ABC プリセットメモリの内容
また、PLZ-5WH2で保存したファイルをPLZ-5Wに読み込む(USB メモリー)ことも可能です。本製品でUVP動作をLimitに設定した場合、PLZ-5W(PLZ205W、PLZ405W、PLZ1205W)では+CV モード設定になります。
外部コントロール
PLZ-5WH2を外部機器からコントロール/モニタできます。
外部コントロールの各端子は負荷入力端子と絶縁されています。
端子番号 | 入力/出力 *1 | 信号名 | 内容 |
1 | ー | STATUS COM | 14 番〜 16 番端子の STATUS 信号用コモン。 |
2 | NC | ー | ー |
3 | NC | ー | ー |
4 | NC | ー | ー |
5 | IN | ALARM CLEAR | アラーム解除入力。 |
6 | IN | ALARM INPUT | アラーム入力。 |
7 | NC | ー | ー |
8 | NC | ー | ー |
9 | IN | TRIG INPUT | トリガ入力。シーケンスのステップで Wait(post)に Trig IN を設定し一時停止状態になった場合、一時停止を解除。 |
10 | ー | A COM | シャシに接続されています。 |
11 | OUT | DIGITAL 0 | DIGITAL0 出力。シーケンス制御可能。 |
12 | OUT | DIGITAL 1 | DIGITAL1 出力。シーケンス制御可能。 |
13 | IN/OUT | DIGITAL 2 | DIGITAL2 入出力。入出力切り替え可能。シーケンスの信号出力、またはシーケンスと測定機能のトリガ入力。 |
14 | OUT | ALARM1 | ALARM1 出力。過電圧検出、逆接続検出、過熱検出、アラーム入力検出、並列運転異常検出動作時および外部アラーム入力時にON。 |
15 | OUT | ALARM2 | ALARM2 出力。OCP、OPP、UVP、WDP 動作時に ON。 |
16 | OUT | LOAD ON STATUS | ロードオンステータス出力。ロードオン時に ON。 |
17 | NC | ー | ー |
18 | IN | LOAD ON/OFF CONT | ロード オン/オフコントロール入力。論理レベル切り替え可能。 |
19 | ー | A COM | シャシに接続されています。 |
20 | IN | EXT CONT ADD | 外部電圧制御入力。CC モードの負荷設定値に電流値を加算して制御。 |
21 | IN | EXT CONT MODE | 外部電圧制御入力。CC、CR、CP モードの負荷設定値を制御。 |
22 | IN | EXT CONT CV | 外部電圧制御入力。CV モードの電圧を制御。 |
23 | ー | A COM | シャシに接続されています。 |
24 | OUT | IMON | 電流モニタ出力。 |
25 | NC | ー | ー |
*1 各端子は DC INPUT 端子間で 1000 V 強化絶縁
USBキーボード対応
同期運転機能
リモートセンシング機能
リモートセンシングを行うと、電圧の計測点を負荷入力端子から任意のセンシング点に変更できます。センシング点を被試験物端に設定することで、負荷用電線の抵抗による電圧降下などの影響を低減し、CR/CV/CP/ARBモードの動作を安定させることができます。
- リモートセンシング入力定格電圧:1000 V
アプリケーション
仕様
製品仕様
仕様 | 定格 | 定電流モード(CC) | 定電圧モード(CV) | 定抵抗モード(CR) | 定電力モード | 消費電力 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形名 | 動作電圧 | 電流 | 電力 | 動作範囲 | 設定範囲 | 分解能 | 動作範囲 | 設定範囲 | 分解能 | 動作範囲* | 設定範囲 | 動作範囲 | 設定範囲 | 分解能 | |||
Hレンジ | Lレンジ | Hレンジ | Lレンジ | ||||||||||||||
PLZ1005WH2 | 10 〜1000 V | 20 A | 1000 W | 0 〜 20 A | 0 〜 20.2000 A | 0.0005 A | 10 〜 1000 V | 0 〜 1010.00 V | 0.02 V | 500mS 〜0S | 5mS ~ 0S | 505.00mS ~ 0.00S | 5.05000mS ~ 0.00000S | 0 ~ 1000 W | 0 ~ 1010.00 W | 0.02 W | 70 VAmax |
PLZ2005WH2 | 40 A | 2000 W | 0 〜 40 A | 0 〜 40.400 A | 0.001 A | 1S ~ 0S | 10mS ~ 0S | 1.01000S ~ 0.00000S | 10.1000mS ~ 0.0000S | 0 ~ 2000 W | 0 ~ 2020.00 W | 0.05 W | 90 VAmax | ||||
PLZ4005WH2 | 80 A | 4000 W | 0 〜 80 A | 0 〜 80.800 A | 0.002 A | 2S ~ 0S | 20mS ~ 0S | 2.02000S ~ 0.00000S | 20.2000mS ~ 0.0000S | 0 ~ 4000 W | 0 ~ 4040.0 W | 0.1 W | 150 VAmax | ||||
PLZ12005WH2 | 240 A | 12000 W | 0 〜 240 A | 0 〜 242.40 A | 0.005 A | 6S ~ 0S | 60mS ~ 0S | 6.0600S ~ 0.0000S | 60.600mS ~ 0.000S | 0 ~ 12000 W | 0 ~ 12.1200 kW | 0.0005 kW (0.5) | 360 VAmax | ||||
PLZ20005WH2 | 400 A | 20000 W | 0 〜 400 A | 0 〜 404 A | 0.01 A | 10S ~ 0S | 100mS ~ 0S | 10.1000S ~ 0.0000S | 101.000mS ~ 0.000S | 0 ~ 20000 W | 0 ~ 20.2000 kW | 590 VAmax |
*1. コンダクタンス [S]= 入力電流 [A]/ 入力電圧 [V] = 1/ 抵抗値 [Ω]