ユニットタイプ多機能電子負荷装置
PLZ-U シリーズ
定電流、定抵抗、定電圧、定電流+定電圧、定抵抗+定電圧の5つの動作モードをもつ、小型・高性能のユニットタイプ直流電子負荷装置

性能・機能

PLZ-Uシリーズは定電流、定抵抗、定電圧、定電流+定電圧、定抵抗+定電圧の5つの動作モードをもつ、小型・高性能のユニットタイプ直流電子負荷装置です。ユニット(プラグイン)方式を採用した本器は、フレーム(2モデル)と負荷ユニット(2モデル)の全4モデルでシリーズ構成しています。
コントロール部となる 「フレーム」に「負荷ユニット」を挿入して使用します。フレームPLZ-30Fでは3チャンネル、フレームPLZ-50Fでは5チャンネルまで負荷ユニットを実装することができます。負荷ユニットは70UA(0V入力対応、75W)と150U(1.5Vより動作、150W)を用意しています。

負荷ユニットの並列運転が可能ですので、75Wから750W(PLZ-50FにPLZ150Uを5台実装した場合)まで、被試験物の出力に応じて電流容量や電力容量をフレキシブルに変更することができます。
また、最高スルーレート2.4A/μs (PLZ150Uにて)の高速応答と10μA(PLZ70UAにて)の最小設定分解能に加え、ソフトスタート機能、可変スルーレート、スイッチング機能、ABCプリセットメモリ、4本のセットアップメモリ、シーケンス機能、タイマと時間・電圧計測機能の組み合わせにより電池の放電特性評価を可能にするなど、多彩な機能を備えています。
GPIB,RS232-Cの通信機能が標準装備されていますので、各種検査システムへの組込みが容易で、燃料電池、2次電池、DC/DCコンバータ、スイッチング電源などの試験や、多出力電源などの試験に便利です。各インターフェースは、IEEE488.2に加え、SCPI(Standard Commands for Programmable Instruments:試験・計測装置向けに考案された共通コマンド)にも対応しております。
多チャンネル負荷システムの構築が容易!
可変スルーレート
過渡応答試験など急激に電流を変化させる場合、どの程度の傾きで電流を変動させるかを決定するのが「スルーレート」です。本機では、電流レンジに応じて時間当たりの電流の変化率を設定することができます。
スルーレート | |||
---|---|---|---|
PLZ150U | PLZ70UA | ||
CCモード | H | 0.10A/μs〜2.40A/μs | 0.05A/μs〜1.20A/μs |
M | 0.10A/μs〜0.24A/μs | 0.05A/μs〜0.12A/μs | |
L | 24mA/μs※ | 12mA/μs※ | |
CRモード | H | 0.10A/μs〜0.24A/μs | 0.05A/μs〜0.12A/μs |
M | 24mA/μs※ | 12mA/μs※ | |
L | 2.4mA/μs※ | 1.2mA/μs※ | |
分解能 | 0.01A/μs | ||
※ 固定値 |
高精度・高分解能
3レンジを内蔵し、広いダイナミックレンジと高精度を両立しています。最大5桁表示の電圧・電流・電力測定機能と、10μA(PLZ70UA)、20μA(PLZ150U)の最小設定分解能を実現しています。
測定表示分解能 | ||
---|---|---|
分解能 | ||
電圧計 | 15.75V〜150V | 0.01V |
0V〜15.75V | 0.001V | |
電流計 | H | 0.001A |
M | 0.0001A | |
L | 0.01mA | |
電力計 | 100W未満 | 0.01W |
100W以上 | 0.1W |
0V入力対応
PLZ70UAは入力動作電圧0Vモデルです。燃料電池の単セル試験では必須の性能です。また、低消費電力化および半導体プロセスの微細化のため、半導体デバイスはますます低電圧化されており、これらの電源の評価にお使いいただくことができます。
多彩なロードオン・オフ動作
負荷ユニットとフレームの両方にLOADキーがあります。またロードオン・オフ動作には下記の種類があり、ご使用状況にあわせた動作を選ぶことができます。
ロードオン・オフ動作 | |
---|---|
選択チャンネルのみ | チャンネルのLOADキーによる操作 |
全チャンネル一斉 | フレームのLOADキーによる操作 |
ロードオンディレイ | LOADキーを押してから設定した時間経過後にロードオン |
パワーオンロード | 電源投入時に自動的にロードオン |
自動ロードオフタイマ | ロードオンから設定した時間経過後にロードオフ |
外部コントロール | 外部信号を使用してロードオン・オフを制御 |
経過時間表示 | ロードオンからロードオフまでの時間を表示 |
ロードオフ電圧表示 | ロードオフしたときの電圧を保持 |
ユニットの並列運転で大容量化を実現。*並列運転は同一モデルのみ
チャンネルの連動動作
ロードオン・オフ、ABCプリセットメモリ、セットアップメモリ、シーケンスのそれぞれについて、チャンネルを連動動作させることができます。
チャンネルの連動動作 | |
---|---|
ロードオン・オフ | 全チャンネル一斉にロードオン・オフ |
ABCプリセットメモリ | 全チャンネル一斉に呼び出し |
セットアップメモリ | 全チャンネル一斉に保存・呼び出し |
シーケンス | 全チャンネル一斉に実行・中断 |
フレーム制御
並列運転
フレーム内の隣り合った同一機種の負荷ユニットにおいて、並列運転が可能です(※)。並列運転は1つのチャンネルとみなされ、合計電流、抵抗値(コンダクタンス)の表示値および設定値になります。同一フレーム内であれば、並列運転および単独運転の組み合わせが可能です。※PLZ-50Fの場合最大5台までPLZ-50Fを使用して、3台の並列運転と2台の並列運転を組合せた場合
PLZ-50Fを使用して、3台の並列運転と2台の単一負荷ユニットを組合せた場合
並列台数と容量 | ||
---|---|---|
並列台数 | PLZ70UA | PLZ150U |
2 | 30A / 150W | 60A / 300W |
3 | 45A / 225W | 90A / 450W |
4 | 60A / 300W | 120A / 600W |
5 | 75A / 375W | 150A / 750W |
シーケンス機能
経過時間表示と自動ロードオフタイマ
スイッチング機能
定電流モードおよび定抵抗モードにて、スイッチング動作が可能です。スイッチングの設定パラメータは、スイッチングレベル、スイッチング周波数、デューディ比、およびスルーレートです。これらの設定はロードオン中でも変更可能です。
スイッチング設定パラメータ | ||
---|---|---|
デューティー比設定 | 2% 〜98%、0.1% ステップ | |
周波数設定範囲 | 1Hz 〜20kHz | |
周波数設定分解能 | 1Hz〜1kHz未満 | 1Hz |
1kHz〜10kHz未満 | 10Hz | |
10kHz〜20kHz | 100Hz |
ソフトスタート機能
定電流モードにおいて、ロードオンしてからの電流立上り時間を可変できる機能です。試験する機器の出力電圧の立上り時間に合わせて、本機の立上り時間を可変することができますので、実際の負荷に近い試験がおこなえます。(ソフトスタート時間:0.1、1、3、5、10、30、100、300ms より選択可)
リモートセンシング機能
負荷線の電圧降下を補償して正確に抵抗、電圧を設定したり、電圧や電力を測定したい場合に使用します。特に、定電圧および定抵抗モードにおける過渡特性が改善されるため、動作の安定にもつながります。
ABC プリセットメモリ
定電流、定抵抗、定電圧モードの各レンジごとにA、B、C の3つのメモリがあり、設定値を保存することができます。保存された設定値は、ロードオン中でも自由に呼び出し、保存ができます。定電流+定電圧、定抵抗+定電圧モードでは、定電流および定電圧、定抵抗および定電圧の両方のメモリの呼び出し、保存ができます。
優れた操作性
設定操作をフレームのパネルに集約しました。チャンネルごとに測定電圧、測定電流を同時に表示しながら片手操作で設定可能です。回転速度感応型エンコーダを採用したアナログ感覚のロータリノブと直感的でわかりやすいデザインにより高い操作性を実現しました。
キーロック機能
設定値やメモリ、シーケンス等の変更ができないようにパネルキーをロックすることができます。
豊富な保護機能
過電流保護(OCP)、過電力保護(OPP)、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、過熱保護(OHP)、および逆接保護(RVP)の保護機能を搭載しています。またOCP、OPP、UVP はチャンネルごとに設定値を可変できますので被試験機器ごとに保護の最適化が図れます。
セットアップメモリ
セットアップメモリは、下記の設定値を4 つまで保存できます。保存および呼び出しは全チャンネル一斉になります。
- 動作モード(CC/CR/CV、+CVの有無)
- 保存時の電流値/抵抗値/電圧値
- レンジ設定
- スルーレート値
- スイッチング周波数/デューティ比/レベル
- ソフトスタート
- コンフィグレーション設定
- ABCプリセットメモリの内容
- 自動ロードオフタイマ
- シーケンス
コンフィグレーション設定
動作や通信環境等の設定機能です。設定内容は、本機のメモリにストアされ、電源投入時に呼び出されます。
- 並列運転台数
- 外部電圧リファレンスを使用する動作モード
- 過電流保護(OCP)のロードオフ機能
- 過電力保護(OPP)のロードオフ機能
- ロードオンディレイ時間
- シーケンス終了時のロードオン、ロードオフ
- ロードオン外部コントロールの極性(Low/High)
- 電源投入時のロードオン、ロードオフ
- GPIB/RS-232Cの選択
- GPIBアドレスの設定
- RS-232C通信速度
外部コントロール
フレームのコネクタ(FRAMECONT)または、および各チャン
ネルのコネクタ(CHCONT)による外部コントロールが可能です。フレームのコネクタ(FRAMECONT)では、「全チャンネル連動ロードオン・オフ」、「ABC プリセットメモリの呼び出し」、「セットアップメモリの呼び出し」、「ロードステータス出力」、「アラームステータス出力」が可能です。また各チャンネルのコネクタ(CHCONT) では「外部電圧リファレンスによる制御」、「ロードオン・オフ」、「入力電流モニタ出力」をおこなうことができます。
GPIB、RS-232C を標準装備
GPIB、RS-232C を標準装備しています。下記規格に準拠しています。
- IEEE Std 488.2-1992 IEEE Standard Codes,Formats,Protocols, and Common Commands For Use With IEEE Std 488.1-1987
- IEEE Std 488.1-1987 IEEE Standard Digital Interface for Programmable Instrumentation
- TIA/EIA-232F
- Standard Commands for Programmable Instruments( SCPI) version 1999.0
仕様
負荷ユニット部
形名 | ![]() PLZ70UA | ![]() PLZ150U | ||
---|---|---|---|---|
定格 | 動作電圧 | V | 0 〜 150 | 1.5 〜 150 |
電流 / 電力 | Hレンジ | 15A / 75W | 30A / 150W | |
Mレンジ | 1.5A / 75W | 3A / 150W | ||
Lレンジ | 150mA / 22.5W | 300mA / 45W | ||
定電流モード(CC) | 動作範囲 / 分解能 | Hレンジ(A) | 0 〜 15 / 0.001 | 0 〜 30 / 0.002 |
Mレンジ(A) | 0 〜 1.5 / 0.0001 | 0 〜 3 / 0.0002 | ||
Lレンジ(mA) | 0 〜 150 / 0.01 | 0 〜 300 / 0.02 | ||
リップル | mArms | 7.5 | 3 | |
定電圧モード(CV) | 動作範囲 | Hレンジ(V) | 0 〜 150 | 1.5 〜 150 |
Lレンジ(V) | 0 〜 15 | 1.5 〜 15 | ||
分解能 | Hレンジ(mV) | 10 | ||
Lレンジ(mV) | 1 | |||
定抵抗モード(CR) | 動作範囲 | Hレンジ(S) | 10 〜 0 | 20 〜 0 |
Mレンジ(S) | 1 〜 0 | 2 〜 0 | ||
Lレンジ(mS) | 100 〜 0 | 200 〜 0 | ||
電流計 | 測定範囲 / 分解能 | Hレンジ(A) | 0 〜 15 / 0.0001 | 0 〜 30 / 0.001 |
Mレンジ(A) | 0 〜 1.5 / 0.0001 | 0 〜 3 / 0.0001 | ||
Lレンジ(mA) | 0 〜 150 / 0.01 | 0 〜 300 / 0.01 | ||
電圧計 | 測定範囲 | V | 0 〜 150 | |
質量 | (約) | kg | 2 |
フレーム部
PLZ-30F | PLZ-50F | ||
実装可能ユニット数 | 3 | 5 | |
消費電力 | フレーム単体(VA) | 33 | 40 |
フル実装時(VA) | 300 | 500 | |
質量 | フレーム単体(kg) | 5 | 7 |
フル実装時(kg) | 11 | 17 |