DCモータ評価用電源
モータ駆動用DC電源として
直流で駆動するモータにおける活用事例をご紹介します。
DCモータ(直流モータ)を駆動させる場合、電源機器は車載バッテリを模擬するのが一般的です。どのような評価を実施したいかによって、電源の使い方と必要とされる機能が異なります。
最もシンプルな評価では、直流電源をモータの駆動電圧に設定し、電力を供給します。 モータが駆動する際に必要とする電流値から電源に必要な容量を確定させます。
バッテリの代用として電源を使用します。スターターモータのように起動時に大電流が流れる場合には、突入電流(ラッシュ電流)を意識した電源を選定する必要があります。
JIS D1607などの規格にあるバッテリ電圧の低下を模擬する場合には、内部抵抗可変機能※がおすすめです。
※ PAT-Tシリーズは特注改造が必要です。
さらに双方向直流電源 PXBシリーズであれば、内部抵抗可変はもちろん、電源変動試験や逆起電力にも対応可能です。
ポイントは
内部抵抗可変機能/大容量・コンパクト
このとき重要になるのはモータ起動時に発生するラッシュ電流を確認することです。
なお、バッテリの劣化による内部抵抗の変化を考慮する場合には、内部抵抗可変機能を搭載した電源を使用するのがおすすめです。外付け抵抗が不要となるため、試験作業が大幅に簡略化できます。
逆起電力対応駆動電源として
DCモータ制動時に発生する逆起電力への対応事例をご紹介します。
DCモータの試験において、急停止やブレーキ制御などにより逆起電力が発生する場合、電源側に電力を回生します。このとき、汎用のスイッチング電源を使用している場合、逆起電力によって電源の出力側にストレスがかかります。
このようなとき、一般的には電子負荷や抵抗を挿入することで逆流する電流を吸収させます。
電圧、電流の双方で供給と吸収が可能
4象限動作に対応なバイポーラ電源
モータの容量が1000W未満の場合にはバイポーラ電源のPBZシリーズをご使用いただけます。
バイポーラ電源は、電圧、電流の双方で供給と吸収が可能な4象限動作に対応しています。このため、逆起電力が発生した場合でも電源単体で試験の実施が可能となります。
大電流の力行と回生を1台で
3U/20kWの双方向大容量直流電源
大容量モータの評価にご使用いただけます。単体で20kW、並列接続で200kWの超大容量に対応します。500V/1000V/1500Vの3種類の電圧をご用意しています。
PWM 制御モータの評価
PWMによる速度制御を伴う事例のご紹介です。
ファンモータなど、DCモータでPWM制御を伴う場合にはバイポーラ電源のPBZシリーズを併用するのがおすすめです。
バッテリから常時供給されている12ボルトに加えて外部からPWM制御による電圧を供給することでファンの回転数を制御します。
車載のPWM制御モータには、バッテリからの電圧が常時供給されている場合があります。
バッテリ電圧は、固定となっているためファンの回転数などを任意にコントロールする際には、駆動電源とは別にPWM信号源を用意し、回転速度を制御します。
ポイントは
高速&高電圧 Duty 0%対応
実はPWMのDutyを0%にするのはそれほど簡単なことではありません。
例えば信号発生器でも、ある程度高級な製品が必要となります。一方、当社のバイポーラ電源PBZシリーズは、シーケンスソフトWavy for PBZを使用することでPWMのDutyを0%に設定することが可能です。
高価な外部信号元なしに、PWM制御を実現することができます。
事例で紹介しているモータは、PWM信号のDuty比率が増加するほど速度が上がり、Duty「0%」の時にFANの回転が停止します。
この時、PWM信号源の電圧は常時供給されるバッテリ電圧と同等レベルの電圧を出力する必要があります。