オンボードチャージャー(OBC)評価
オンボードチャージャーの役割
オンボードチャージャーは、家庭用コンセントなどから来る交流(AC)を直流(DC)に変換してバッテリに充電を行う車載電装品です。近年のオンボードチャージャーはレジャーや災害時用の電源として活用できるV2Hに対応したものや、ジャンクションボックスなどと一体となりモジュール化されたタイプも出ています。
オンボードチャージャーはAC側に電圧不足、電圧ひずみ、瞬断や瞬低、電圧変動が起きても正常に動作することが求められると共に、DC側への安定した電力供給や、他の車載電装品の電圧・電流変化に対して耐性を持つことが求められます。
オンボードチャージャーのAC側評価
オンボードチャージャーのAC側の評価に、大容量スマート交流・直流安定化電源PCR-WEA/WEA2 シリーズがご活用いただけます。オンボードチャージャーのAC仕様は、単相100V・単相三線200V・三相200V、電力は7kVA・11kVA・22kVAと複数ありますが、PCR-WEA/WEA2 シリーズであれば1台で対応が可能です。
PCR-WEA/WEA2 シリーズは、従来モデルに比べ約6分の1と超小型ですので、1台で36kVAまで出力が可能で、周波数も5kHzまで可変可能であることから、世界各国の電源事情を再現できます。また、突入電流にも強く、ピーク電流は定格の4倍、突入電流は500ms、定格の1.4倍まで流すことが可能です。
● 多彩な出力:単相100V/200V、単相三線、3相200Vも1台で出力可能
● 超小型:1筐体で36kVAまで出力可能
● 突入電流に強い:ピーク電流定格4倍、突入電流定格1.4倍(500ms)まで対応
● シーケンス機能搭載:電源電圧変動、出力開始位相設定、高調波合成などが可能
● 国内全メーカーに実績あり
● 世界各国の電源事情を再現できます。
多彩なシーケンス機能
PCR-WEA/WEA2 シリーズは、多彩なシーケンス機能を持っており、AC側で起こる電圧不足、電圧ひずみ、瞬断や瞬低、電圧変動などの再現が可能なことに加え、40次までの高調波合成波形を作成することも可能です。
また、出力開始時の位相設定もできますので位相90度や270度といったオンボードチャージャーにとって厳しい入力波形も作成することができます。その他、電源変動の国際規格であるIEC61000-4-11やIEC61000-4-28、IEC61000-4-34 の試験も実施可能です。
オンボードチャージャーのDC側評価
オンボードチャージャーのDC側には、双方向大容量直流電源PXB シリーズ、もしくは直流電子負荷装置PLZ-5WH2 シリーズがご活用頂けます。
エージング評価などには使用電力を大幅に削減できるPXB シリーズがお薦めです。また、オンボードチャージャーの過渡的な電気特性データ取得にはPLZ-5WH2 シリーズが最適です。オンボードチャージャーの先には高圧バッテリが繋がることが多く、その電圧はDC300Vから750Vが一般的ですが、PXB シリーズは1500V、PLZ-5WH2 シリーズは1000Vまで対応しております。
● エージング試験には電力回生機能で大幅な省電力が実現できるPXB シリーズがお薦めです。
● 過渡的な特性を測定する場合には、高速応答するPLZ-5WH2 シリーズがお薦めです。
● PXB シリーズの最大電圧は1500V、電力は200kW以上にも対応*、PLZ-5WH2 シリーズは1000V/100kWと高圧・大容量に対応します。*2024年7月時点で500kWまで対応
● オンボードチャージャーには高圧バッテリがつながることが多く、電圧はDC300~750V程度が一般的です。