二次電池評価
サステナビリティに配慮した二次電池の製造プロセス
材料評価
次世代自動車、特に電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池は、その安全性を確保するために多岐にわたる評価試験が必要になります。その中で代表的な絶縁評価試験として、耐電圧試験や絶縁抵抗試験があります。 これらの試験は、電池の安全性を確保するために欠かせません。
当社では安全関連試験器のトップメーカーとして、様々な製品ラインアップを用意しています。
電解液注入前のリチウムイオン電池素子に対しては、電極箔のインピーダンス測定などが行われます。
当社のバッテリインピーダンスメータBIM1000シリーズは、1kHz交流4端子法による低抵抗測定器で、測定電圧最大1000Vまで対応しています。
安全で正確!!電極間、電極と外装間の絶縁を測定
耐電圧試験機
TOS5301
詳細スペック
- 高安定な出力を実現するPWMアンプ方式
- 5kV/100mA(500VA)のAC耐電圧試験
- 6kV/最大出力50 WのDC耐電圧試験器
- 高精度計測±1.5% of reading(電圧計500V以上、電流計1mA以上にて)
- ライズタイム/フォールタイムコントロール
- キーロック&操作部カバー
- USBインターフェース搭載
絶縁抵抗試験器
TOS7200
詳細スペック
- 出力電圧設定範囲:−25〜−1000V
- 抵抗測定範囲:0.01MΩ〜5000MΩ
- ディスチャージ機能搭載
- ウィンドウコンパレータ搭載
- ホールド機能(試験終了時の測定抵抗値をPASS期間中ホールド)
- タイマー機能搭載
- SIGNAL I/O、リモコン端子
- RS-232Cインターフェース標準装備
より簡単に、より正確に電極箔の抵抗値を測定
インピーダンスメーター
BIM1000シリーズ
詳細スペック
- 測定電圧:最大1000V(BIM1100)、最大300V(BIM1030)
- 電圧測定確度:±(0.01% of reading 3 digit)
- 抵抗測定確度:±(0.5% of reading 5 digit)
- 抵抗レンジ:3mΩ/30mΩ/300mΩ/3Ω
- 高分解能:電圧10μV(6Vレンジ)、抵抗0.1μΩ(3mΩレンジ)
- 測定周波数:1kHz±0.2Hz
- サンプリング速度(電圧測定&抵抗測定):20ms(FAST時)
- SIGNAL I/O、RS232C、USBを標準装備
単セル評価
電気自動車の普及に伴い、安全性が重要視される中、全固体電池の開発が急速に進んでいます。全固体電池はリチウムイオン電池と似た構造を持ちながらも、電解液の代わりに固体電解質を使用する点が大きな特徴です。この構造により、すべての構成部材が固体となり、従来のリチウムイオン電池と比べて安全性が飛躍的に向上します。
全固体電池の性能向上が進む中、大容量、優れた出力特性、温度特性、そして超寿命といった特性がますます求められるようになっています。これらの特性を正確に評価するためには、専用の評価試験器であるバッテリーテスタが必要不可欠です。
当社が提供するハイレートバッテリテスタPFX2731Sは、全固体電池やリチウムイオン電池等の単セル向け充放電試験に対応した多チャンネルバッテリーテスタです。1筐体に6chを内蔵し、各チャンネルは6V-20Aに対応。微小電流から大電流まで高い計測性能を実現します。
- 10ms連続計測(最速設定時)
- 単セル評価に対応(Cレートで設定可能)
- 多彩な充放電モード (計9モード)
- 充電:CC、CC-CV、CP、CP-CV
- 放電:CC、CC-CV、CP、CP-CV
- パターン充放電(CC(+CV)、CP(+CV))
- 経路スイッチ内蔵により、異常検出時に速やかに試験を中断
- 恒温槽(エスペック社製)4台との同期運転が可能
- T型熱電対(オプション)による温度計測が可能
- LANケーブルを接続するだけでシステム構築が可能
- 充実の保護機能
SD035-PFX BPChecker4000
PFX2731Sは、専用ソフトウェアBPChecker4000を使用することで、バッテリの充放電特性試験の条件設定や実行、試験結果の保存を行うことができます。BPChecker4000は、試験条件を作成するTest Condition Editorと試験を実行するTest Executiveの2つのプログラムによって構成されています。
モジュール評価
二次電池のモジュール評価には、「PFX2500システム」が用意されています。 PFX2512は最大60V/50A、PFX2532は60V/200Aに対応しており、EV車両のモジュール電池が48V程度で直並列に充放電する条件に適しています。PFX2512及びPFX2532は当社の電源・電子負荷と組み合わせることにより充放電システムを構築することが出来るため、すでに当社製電源・負荷装置*をお持ちのお客様はPFX2512/PFX2532のみをご購入することで充放電システムを構築することが可能になります。
*システムラインナップは別途製品ページをご確認ください。
また、本システムであれば、各種充放電モードの他、シーケンス動作やI-V動作も可能なうえ、高性能なシャント抵抗を内部に搭載しており、電圧電流の計測精度は0.1mV/0.1mAと高精度な測定を実現しています。更にセル電圧および温度の測定も可能で、オプションの計測ボードを使用することで、セル同士の電圧バランスが崩れた場合にアラームで停止させる機能も備えています。
現場環境を再現可能
PFX2512、2532は電源装置と電子負荷装置を同時に制御することにより、シームレスな充放電が可能で、IEC62660の試験やBEVのサイクル寿命試験にも対応しています。恒温槽との同期による試験も可能で、より現場環境に近い条件での評価が行えます。
- シームレス充放電(高速充放電切替制御)が可能
- 電圧、電流はもちろん、積算の容量、電力量も高精度に測定可能
- 10000ステップのパターン充放電機能を搭載
- 温度測定にも対応、充放電中の温度監視が可能
- 最速1msの高速サンプリングを実現(最大6000ptまで)
- 6Vレンジを新設し高精度測定が可能
- 過充電には電圧・電気量・温度によるプロテクションをかけるなど安全対策も万全
- 感震センサにより揺れや衝撃を感知し出力をオフすることで電池の損傷を防止
- LAN標準装備
パック評価
10kWから200kWクラスの電池の充放電には、双方向直流電源であるPXBシリーズが最適です。PXBシリーズは、3Uサイズの筐体に20kWの大容量出力を凝縮し、最大電圧1500Vで力行・回生の双方向に対応可能です。SEAM Mode(シームモード)の搭載により、充電から放電へのシームレスな動作切替が可能で、電流のオーバシュートを抑制します。
●回生機能(構内)でカーボンニュートラルに貢献
電池から本体に電力が回生された場合、その負荷電力を再利用可能な電力に変換し、AC
LINEに回生します。そのため、消費電力を削減し排熱量を抑えることにより、カーボンニュートラルに貢献できます。回生効率90%(TYP、定格負荷時)
*PXBシリーズは構内回生を前提に設計されています。構内の電力が回生電力より大きい環境で使用してください。
*システムアップのご用命については、最寄りの営業所までお問合せ下さい。
また、安全性を評価するためには、プラス端子とケース間、マイナス端子とケース間の絶縁抵抗試験や耐電圧試験なども必要です。当社のTOS9300シリーズは、これらの試験項目のシーケンスを組むことができ、生産ラインでの検査工程の効率化に寄与します。
リユース(リパーパス)&リサイクル
二次電池が様々な用途に使われるようになり、活躍の場を広げる一方で、大量に製造された二次電池を有効活用する手段としてリユースやリサイクルに注目が集まっています。
例えば、車載用パック電池をそのまま定置用蓄電池に再利用する場合などリユースの場合は、充放電レート特性やインピーダンス評価、セルバランスの確認などにより電池の劣化状態を確認する必要があります。
また、使用済み電池を廃棄し、レアメタルなどの素材を取り出しリビルドする事で無駄なく電池をリサイクルする場合には、まず電池を完全に放電し電池残量を空にする必要が出てきます。 このような二次電池のリユースやリサイクルに関しても、当社の充放電試験システムや電子負荷装置を利用し効率的な評価を実現することが可能です。