製品概要
16A以上の三相/単相機器評価に対応した高調波・フリッカ測定器
KHA3000は、ご好評を頂いているKHA1000の対応規格・機能に加え、16Aを超える単相/三相機器の高調波・フリッカ規格試験で要求されるIEC
61000-3-12(高調波)およびIEC 61000-3-11(フリッカ・電圧変動)規格を搭載し、本機だけで最大40A/相までの高精度な三相同時測定を可能にしたモデルです。*1オシロスコープやFFTアナライザの感覚でお使い頂けるリアルタイム表示に加え、リアルタイム規格判定機能ももちろん搭載。本機単体で規格判定からテストレポートの作成までPCレスで行えます。
たとえば大型機器の近くに本機を持ち運んで試験*2を行い、その場で合否判定を得るなどの使い方も可能ですので、規格試験にかかる時間が飛躍的に節約できます。もちろん、単相機器の測定や16A以下の規格にも対応。交流電源およびラインインピーダンスネットワークを組み合わせ、容易に規格適合試験システムを構築することが可能です。また、当社KHAシリーズは3つの測定技術規格に対応しておりますので、次数間高調波を含む最新規格での測定も、従来通りの整数倍高調波のみの測定も1台で行えます。
*1:JIS 規格では、20A
/相以下となっております。
*2:40A/相以上の測定は市販のクランプオンプローブ(電圧出力タイプ)と本体ファームウェアVer.2.00以降にて対応します。動作確認済みのクランプセンサもございますので、詳細につきましてはご相談ください。
適合する規格
以下の規格の適合試験を行うことができます。
ZOOM
分類 | 限度値規格番号・版 | 測定技術規格番号・版 |
---|
高調波 エミッション | - IEC 61000-3-2 Ed5.0(2018)
- IEC 61000-3-2 Ed3.0(2005)
- IEC 61000-3-2 Ed2.2(2004)
- EN IEC 61000-3-2(2019)
- EN 61000-3-2(2006)
- EN 61000-3-2(2000)/A2(2005)
| 16A 以下 | - IEC 61000-4-7 Ed2.1(2009)
- EN 61000-4-7(2002)/A1(2009)*1
- IEC 61000-4-7 Ed2.0(2002)
- EN 61000-4-7(2002)*1
- IEC 61000-4-7 Ed1.0(1991)
- EN 61000-4-7(1993)*2
|
---|
- JIS C61000-3-2(2019)
- JIS C61000-3-2(2005)
| 20A 以下 |
- IEC 61000-3-12 Ed1.0(2004)
- IEC 61000-3-12 Ed2.0(2011)
| 16A 以上 75A 以下 |
フリッカ/
電源変動
エミッション | - IEC 61000-3-12 Ed2.0(2011)
- IEC 61000-3-12 Ed1.0(2004)
- EN 61000-3-3(2013)/A1(2019)
- EN 61000-3-3(2008)
| 16A 以下 | - IEC 61000-4-15 Ed2.0(2010)
- EN 61000-4-15(2011)
- IEC 61000-4-15 Ed1.1(2003)
- EN 61000-4-15(1998)/A1(2003)
|
---|
- IEC 61000-3-11 Ed2.0(2017)
- EN IEC 61000-3-11(2019)
| 16A 以上 75A 以下 |
*1 測定ウインドウ幅は0.2秒です。基本周波数50Hzでは10サイクル、基本周波数60Hzでは12サイクル分に当たります。次数間高調波は5Hz間隔で測定されます。測定された高調波と次数間高調波から高調波グループが求められます。高調波グループの値が測定結果となります。 *2 測定ウインドウ幅は基本周波数の16サイクルです。基本周波数が50Hzでは0.32秒、基本周波数が60Hzでは0.266秒になります。次数間高調波は測定されません。高調波のみ測定されます。高調波の値が測定結果となります。
*1
測定ウインドウ幅は0.2秒です。基本周波数50Hzでは10サイクル、基本周波数60Hzでは12サイクル分に当たります。次数間高調波は5Hz間隔で測定されます。測定された高調波と次数間高調波から高調波グループが求められます。高調波グループの値が測定結果となります。
*2
測定ウインドウ幅は基本周波数の16サイクルです。基本周波数が50Hzでは0.32秒、基本周波数が60Hzでは0.266秒になります。次数間高調波は測定されません。高調波のみ測定されます。高調波の値が測定結果となります。
使い勝手の良いターミナル&インタフェース
特長
高調波測定器要求規格 (IEC61000-4-7)の新・旧規格に対応
規格の選択は、限度値規格と測定器技術要求規格に分かれていますので自由に組み替えが可能です(KHA1000ではあらかじめ作られた組み合わせのみ)。
パソコン不要で適合判定
本機単体で、試験条件の設定から、規格判定、テストレポートの作
成までPCレスで行えます。試験条件の設定画面からコメントが入力できます。試験合否やスペクトラムもリアルタイムに画面表示し、また本機から当社交流電源PCR-LE/LE2シリーズの制御もできますので、KHAの操作パネルをメインコンソールとした使い勝手の良い試験システムの構築が可能です。
試験の「繰り返し性」確認に対応
現在測定したデータと過去に測定したデータを比較し、誤差が範囲内に入っているかどうかの確認を行うことができます。高調波規格試験で要求される「繰り返し性」の評価に役立ちます。
規格の要求事項 測定の繰り返し性は、限度値の±5%以内
3-12では基本波と7次以下の繰り返し性は、±5%以内。7次を超える高調波に対しての繰り返し性は、±10%以内または基準基本波電流の±1%のいずれか大きい方
試験用電源の品質確認機能を搭載
試験に使用する交流電源の電圧・周波数・ピーク電圧・ひずみ率を測定し、高調波規格試験に適した電源かどうかをチェックする機能を搭載しています。
規格の要求事項 IEC61000-3-2電圧高調波は、次の値以下であること。 3次(0.9%)、5次(0.4%)、7次(0.3%)、9次(0.2%)、
2次~10次の偶数次(0.2%)、11次~40次(0.1%)
IEC61000-3-12無負荷時の出力電圧・高調波含有率
5次(1.5%)、3次と7次(1.25%)、11次(0.7%)、9次と13次(0.6%)、2次~10次の偶数次(0.4%)、12次と14~40次(0.3%)
三相同時測定が可能 ※KHA3000のみ
フリッカの観測期間でPltは、2時間と規定されています。三相機器の場合、1相ずつ測定しても良いことになっていますが、2時間×3=6時間かかってしまいます。三相同時測定で行えば2時間で済み、測定(試験)時間短縮に貢献します。
-
EUTの入力方式をフルカバーするため、結線方式を設定できるようになっています。(単相、単相3線、三相3線、三相4線)又、L1、L2、L3(各チャンネル)の設定では連動、単独も選ぶことができますので、相電流が大きく異なる機器でも適切な測定が可能です。
- 三相各チャンネル測定に対応するため、電圧、電流レンジを各 チャンネルに分け、それぞれAUTOレンジを設けました。また、各レンジは、ワンタッチで DCオフセットの調整が可能です。
被試験機器の状態がすぐわかるリアルタイム表示&測定
表示機能一覧 ※画面はKHA3000の例です。
ZOOM
| 高調波電流試験 | フリッカ・電圧変動試験 |
---|
グラフ 表示 | - V / I 波形
- 2D 高調波
- 3D 高調波
- THC
- 電流トレンド
- 高調波電流トレンド
- ベクトル位相
※KHA3000のみ
| - V / I 波形
- rms 波形
- St(短時間フリッカ値)波形
- CPF(累積確率)曲線
- dc波形
- dmax波形
- d(t) >3.3%波形
|
---|
リスト 表示 | - リスト(リアルタイム測定値)
- 高調波リスト
- 結果リスト
| |
---|
規格改定時(最新規格対応)のバージョン・アップも簡単
本体のバージョン・アップはCFカードを利用してフロントパネルから簡単に行えます。※CFカードはお客様にてご用意願います。
基本計測もおまかせ
電圧/電流/電力/力率/皮相電力/無効電力/周波数なども測定可能。波形モニタや、突入電流の測定、低周波帯の高調波電流測定などもできますので開発・設計現場での日常作業のツールとしても便利にお使い頂けます。
突入電流測定
トリガレベルを超えた突入電流波形を観測します。電圧の波形も観測出来ます。KHA3000は最大160Apeak、KHA1000は最大80Apeakまでの突入電流が測定可能です。また、市販のクランプオンプローブ(電圧出力タイプ)と、ファームウェアのアップデートにより、更に大電流まで測定できます。
EUTをつないだままで、突入電流の測定が可能です。オシロスコープや電流プローブを別に用意して、測定する手間が省けます。アプリケーションソフト(SD006-KHA、SD005-KHA)を使って交流電源の投入位相角を設定してONすれば、再現性の良い突入電流測定が可能です。位相角は1°単位の設定が可能です。
ISO/IEC17025校正について
校正/データ付(使用計測器)
当社は、KHAシリーズの校正に対するISO/IEC17025にトレースというお客様のご要望に応えるため、図のような「トレーサビリティ体系」を構築いたしました。(KHAシリーズの生産・検査に使用しています)
「校正器データ付きトレーサビリティ証明書」発行のご依頼があった場合には図中の黄色で示した機関が発行した「校正証明書」のコピーを添付することができます。(有償となります)
-
当社においてKHAシリーズをISO/IEC17025に準拠して校正することはできません。従いまして、現在ご提出できるKHAシリーズの校正データには「不確かさ」の表記をしておりません。校正に使用した計測器の「不確かさ」を表記したデータのコピーは有償にて添付できます。
認定校正機関発行(ロゴ・マーク付)のデータが必要な場合は当社営業担当までご相談ください。 - 認定校正機関発行(ロゴ・マーク付)のデータが必要な場合は当社営業担当までご相談ください。