直流および交流電源(大容量)での、1次側(AC入力)に使用する配電盤(ブレーカ電流容量)についてのご説明です。
製品仕様の電源入力欄の項目には入力電流と突入電流があります。
たとえば、PAT-Tシリーズ(8kW、3相200V入力)なら、入力電流は、最大32A(定格負荷時)、突入電流は、最大100A peak、となっています。この場合、配電盤のブレーカー容量が100Aである必要はありません。 突入電流は電源ON時、もしくはOUTPUT ON時に数ms間だけ流れます。ブレーカはこの程度の時間では反応(トリップ)しないので、定常使用電流から選択すれば問題ありません。
つまり最大定格負荷まで使用するとして、32Aより少し大きめのものを用意して(20%以上の余裕を見て)いただければ結構です。
なお、注意すべき点として、ブレーカーのタイプとして低速度タイプをご選択ください。 高速タイプですと、突入電流にて落ちてしまう場合がありますので、ご注意ください。
備考:漏電ブレーカを経由して当社製品をお使い頂く場合 入力電源環境として漏電ブレーカを経由して当社製品をお使い頂いている場合があります。
特にスイッチング方式の直流電源は、入力のフィルタ回路により漏洩電流値が大きくなることから、複数台をまとめて一つの漏電ブレーカで使用する場合、漏電ブレーカが不要動作してしまう場合がある為、注意が必要です。
(当社では、多くの台数が接続できる低漏洩電流タイプのLLCモデルを用意していますが、台数には限度があります。)
ここで、漏電ブレーカが不要動作せずにどこまで機器を接続できるのか判断する方法をご紹介します。
まず、使用する電源環境での製品の漏洩電流値を測定条件から推定します。漏洩電流は、電源電圧と周波数に比例することから、以下に注意して算出してください。
- 100VACで測定した場合の漏洩電流値は、200VAC環境で使用する場合「2倍」となる。
- 50Hzで測定した場合の漏洩電流値は、60Hz環境で使用する場合「1.2倍」となる。 ●漏洩電流の参考値(入力100V/50Hzにて)単位:μA
PASシリーズ 350Wタイプ 700Wタイプ 1000Wタイプ 標準 553 998 1043 LLCモデル 198 362 587 PWRシリーズ 400L 800L 1600L 標準 470 730 900 LLCモデル 190 310 550
※上記は実測参考値であり保証値ではありません。20%程度の余裕を見て下さい。 ※入力電源のL、Nを逆に接続した場合は上記値を越える場合があります。
次に漏電ブレーカですが、ブレーカの仕様には「定格感度電流値:この漏洩電流値以上でブレーカ引き外し」と「定格不動作電流値:この電流値以下はブレーカは引き外さない」があり、通常は定格感度電流値の50%が定格不動作電流値となっています。
(具体的には、30mAの漏電ブレーカの場合は、定格不動作電流値が15mAとなる。)
従って、不要引動作を防ぐ為には、「接続する機器の漏洩電流の合計値」