抵抗値の計測と考えればテスターの測定でも良いと思いますが、規格において試験電流を指定している例は多く、規格適合を目的にするならば、必ず規定電流の印加が必要です。
従いましてアース導通試験器が必要になります。
例えば、オーディオ製品等に関する国際規格であるIEC60065のアース導通試験では試験電流25Aで許容抵抗値0.1Ω以下、という条件があります。これは被試験物(電気製品)が故障し、ACラインが筐体と内部的に接触したとき、大きな電流が流れます。
このときにGNDラインから確実に電流を逃がせる(安全性が確保できる)ことを確認する試験です。
機器内部のアースラインと筐体との接続線に対して25A以上の試験電流を流すことが要求されます。
例えば北米の安全規格UL60950-1という情報技術機器(ITE)の規格では試験回路の定格の2倍の電流にて試験するといった記載もあり、定格が16Aの機器では2倍の32Aでの試験が必要になります。
当社のTOS6210では、このUL60950-1でも使えるよう大電流(最大60A)に対応できるようになっています。
また同規格で要求している電圧降下から抵抗値を算出する機能も搭載しています。

