
電源変動試験器KES7400A
任意波形の試験
KES7400Aシリーズは、KES7100(アプリケーションソフトウェア)を使用することで、ISO7637-2.2011の規格要求であるTest Pulse 2bと、ISO7637-2.2004の規格要求であったTest Pulse 4のシミュレーションおよび任意波形の試験ができます。Test Pulse 2bは、点火スイッチが切られた後に発電機として動作する直流モータから発生する過渡現象を、Test Pulse 4は、内燃機関のスタータモータ回路の起動によって発生する電源電圧の低減をそれぞれシミュレーションします。任意波形編集機能では、アプリケーションソフトウェアにて作成した複雑な電源電圧変動パターンを試験することができます。
アプリケーション
システム構成
電源変動試験器KES7400Aシリーズは、アプリケーションソフトウェアKES7100を使用することで、ISO7637-2規格が要求するTest Pulse2b、TestPulse4や、各自動車メーカーが個別に要求する電源変動試験が可能です。KES7100には、電源変動波形ライブラリが用意されています。また、各波形データの電圧や変動時間など波形を形成する各パラメータを編集することができます。任意波形編集機能を使用すれば、複雑な電源変動波形も簡単に作成することができます。さらにアナログ信号を入力することで、本器を増幅器として使用することも可能です。お客様の供試品の仕様に応じて、モデルや台数を選定し、システムを構築いたします。
高速瞬断スイッチユニット
電源電圧変動試験器KES7400Aシリーズでは、工場オプションにて高速瞬断スイッチユニットを付加することが出来ます。このスイッチユニットは、ワイヤーハーネスに繋がる自動車電子機器の環境にて発生する不完全な接触等によって起こる電源の瞬断をシミュレートします。瞬断モードは3種類 (プラス極モード、マイナス極モード、両極モード)選択可能です。瞬断モード:+極(S1)およびー極(S2)のスイッチのいずれか一方、または両極のスイッチをオン、オフさせて電源を遮断することができます。
項目 | 仕様 |
回路瞬断用スイッチ | 2極(プラス極、マイナス極) |
スイッチ 電圧・電流 | DC60Vmax、電流値は各モデルの電流容量に準じます。 |
スイッチ オン時間 | 1μs以下 (1kΩ負荷時) |
スイッチ オフ時間 | 1μs以下 (1kΩ負荷時) |
瞬断モード | プラス極(S1)、マイナス極(S2)、両極(S1、S2同時) |
自動化対応(外部トリガ出力)
電源電圧変動試験器KES7400Aシリーズは、外部トリガ出力及び入力端子が標準で装備されています。この外部トリガ出力および入力信号を使用することで、誤動作判定、暗電流測定、CAN連動システムなどの動作を指示させることが出来ます。※注:外部トリガ信号の仕様、ソフトウェアの改造等は、別途お打ち合わせによりお見積もりさせていただきます。
事例1:誤動作判定/暗電流測定
自動車メーカ規格の中では、暗電流測定の要求があります。
本システムでは、電源電圧変動試験とDUT誤動作判定、暗電流測定を連動させることが可能です。
事例2:CAN連動
自動車電子機器の制御の手段の一つとしてCAN通信があります。
本システムでは、CAN通信のプロトコルを電源変動試験システムに取り込み、誤動作判定を自動化したシステム例です。
波形ライブラリ(オプション)
下記波形ライブラリでは、1つの試験ファイルで816通りの試験を実行することができます。1つの波形パターンにおいて、V(電圧値)とT(変動時間)をステップ可変する場合、ステップ数は何百から何千通りとなります。従来の信号発生器ソフトウェアの場合、可変ステップ数だけ試験ファイルを作成するため、試験の準備に膨大な時間と労力が必要でした。アプリケーションソフトウェアKES7100では、パラメータ中に「-」(ハイフン)や「,」(カンマ)を使用することで、ステップ可変波形を容易に作成することが可能です。
KES7400Aシリーズ|各種データ
利得特性
無負荷時±60Vスイング時および±10V時スイング時において、100kHzまで、ほぼフラットな利得特性を示しています。 -3dB時の周波数も300kHzまで達しています。仕様範囲内における利得特性の直線性は、試験の再現性につながるとともに、各自動車メーカ規格への対応となります。