航空・宇宙電子機器の電源ソリューション

航空・宇宙機器を支える電源ソリューション

航空機や人工衛星に搭載される電子機器は、厳しい環境下でも確実に動作することが求められます。高度な安全性・信頼性を確保するため、国際規格や各種試験条件に準拠した厳格な評価が不可欠です。

航空機の電源周波数は、一般的な商用電源(日本国内:AC100V-50Hz/60Hz)とは大きく異なる電源仕様が採用されています。交流電源系統では400Hzという高周波数が標準となっており、単相の場合は115V・400Hz、三相の場合は三相4線230V・400Hzが使用されています。この特殊な電源仕様により、航空機搭載機器の地上でのメンテナンスや評価試験には、単相または三相の400Hz出力に対応した専用交流電源が必要不可欠となります。

近年では、より高周波の可変周波数360Hz~800Hzが採用されている場合もあります。

航空・宇宙機器を支える電源ソリューション

さらに、航空機には交流電源バス(ACバス)だけでなく、直流電源バス(DCバス)も存在します。機体規模に応じて異なる電圧レベルが採用されており、大型民間航空機では高電力機器用の270V DCバスとアビオニクス機器用の28V DCバスが混在して搭載され、中小型機では主に28V DCバスが主電源として供給されています。これらの電源システムは、単一故障でも飛行安全を維持できるよう、複数の独立した電源系統による冗長設計が基本となっており、主電源系統に加え、非常用電源やバックアップバッテリーシステムが併設され、高い信頼性を実現しています。

一方、人工衛星などの宇宙関連機器では、太陽光パネルから得られる直流電圧をDC/DCコンバータで各機器に最適な電圧レベルに変換・供給するシステムが採用されています。宇宙環境特有の電源変動や温度サイクルに対応した、高精度な電源制御が要求されます。

このような航空・宇宙分野特有の多様で複雑な電源要求に対し、菊水電子工業の電源装置は包括的なソリューションを提供いたします。400Hz交流電源から各種直流電源まで、電源品質試験、温度上昇試験などに柔軟に対応できる試験環境を実現し、お客様の開発設計や品質保証・メンテナンス業務をサポートします。

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項目一般的な電源(日本国内)航空機用電源
単相交流(商用電源)AC100V / 50Hz または 60HzAC115V / 400Hz*
三相交流三相3線 AC200V / 50Hz または 60Hz三相4線 AC200V / 400Hz*
直流電源バス基本的に使用されない270V DC、28V DC(電子機器や制御系統に供給)
用途家庭用・産業用一般機器アビオニクス機器、キャビン設備(ギャレーなど)

※Constant Frequencyでの運用時

航空・宇宙機器を支える電源ソリューション

簡単・便利に卓上で手軽に製品試験
小型コンポーネントの供給電源として

小型コンポーネントの供給電源として

機体内部の電源ノイズやリップル波形も忠実に再現!
~DO-160 Section 18 ~

機体内部の電源ノイズやリップル波形も忠実に再現!

モータも電池もコンバータも1モデルで評価可能
電動航空機・大型ドローンの電力系統模擬に最適!

モータも電池もコンバータも1モデルで評価可能

周波数設定範囲40~500Hzでコンパクトな交流電源
個別コンポーネントの品質確認に最適!!

周波数設定範囲40~500Hzでコンパクトな交流電源

ACもDCも、Power Input試験が可能な高性能電源
DO-160 Section 16に対応した唯一の国産電源

ACもDCも、Power Input試験が可能な高性能電源

アビオニクス機器のPower Input 規格試験

民間用規格 DO-160(Section 16)と防衛用規格 MIL-STD-704をワンパッケージで網羅。

アビオニクス試験用ソフトウェアと組み合わせる事で、「RTCA/DO-160」や「MIL-STD-704」など、航空機に搭載される電装品の電源規格試験に対応します。 適応したい規格から試験項目を選択するだけで、試験を実施可能です。

アビオニクス機器のPower Input 規格試験
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規格名リビジョン/カテゴリ交流試験直流試験
 SACSVFTACTVFSXFLDCHDC
MIL-STD-704ARev.A△*1
Rev.E△*1
Rev.F△*1

*1 LDC103、LDC104 はサポート対象外です。

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規格名リビジョン/カテゴリ交流試験直流試験
 A CFA NFA WFADBZ
RTCA/DO-160 Section 16Rev.F
Rev.G
JIS W0812※22004

人工衛星運用を支えるDC/DCコンバータ評価試験

人工衛星は、軌道上で太陽電池パネルから得られる電力により運用しています。 太陽電池パネルは効率的な電力制御と運用マージン確保のため、電源バス電圧(28V~120V)よりも高い電圧(50V~180V)で設計されています。

この高電圧出力を各搭載機器で使用可能な電源バス電圧に変換するため、DC/DCコンバータが不可欠です。宇宙用途の高信頼性要件のもと、これらのDC/DCコンバータの評価試験において、直流電源装置および電子負荷装置が重要な測定機器として活用されています。

人工衛星運用を支えるDC/DCコンバータ評価試験
人工衛星運用を支えるDC/DCコンバータ評価試験

このページで登場した菊水製品

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