ハイレートバッテリテスタPFX2731S
全固体電池・リチウムイオン電池等の単セル評価をサポート!

特長
急速充放電性能の向上により必要とされるハイレート充放電試験を実現します。
PFX2731Sは、ハイレート充放電試験に対応した6V-20A 6チャンネルのバッテリテスタです。PFX2731S専用のアプリケーションソフトウェアBPChecker4000(別売)を使用して操作を行います。1台のPCで最大4台(24チャンネル)まで操作が可能なため、必要なチャンネル数に応じた多チャンネル充放電システムの構築が可能です。
また、ハードウェアとソフトウェアで独立した2 系統の保護機能を有すると共に、誤配線を検出する結線確認機能や積算容量保護など多重化された保護機能により、長期間の連続試験を安全に行う事ができます。
- 10ms 連続計測(最速設定時)
- 単セル評価に対応(Cレートで設定可能)
- 多彩な充放電モード(計9モード)
- 充電:CC、CC-CV、CP、CP-CV
- 放電:CC、CC-CV、CP、CP-CV
- パターン充放電(CC(+CV)、CP(+CV)
- 経路スイッチ内蔵により、異常検出時に速やかに試験を中断
- 恒温槽(エスペック社製)4台との同期運転が可能
- T型熱電対(オプション)による温度計測が可能
- LANケーブルを接続するだけでシステム構築が可能
- 充実の保護機能
システム構成
PFX2731S×1台をLANケーブルで接続した例

PFX2731Sは、コントロール部と計測部、さらに6チャンネルの6V-20A充放電ユニットを一筐体に実装しており最大24チャンネルまでの充放電システムが省スペースで構築できます。各チャンネルは完全にアイソレートされていて、計測機能については各チャンネル毎に装備されているので、全チャンネル10msの連続データ記録が可能です。
PFX2731S×4台と恒温槽*4台をLANケーブルで接続した例

※恒温槽との接続は、LANまたはRS485のいずれかとなります。RS485を使用する場合には、パソコンとの接続に別途USB変換器が必要です。
多彩な充放電モード
100,000 ステップのパターン充放電機能
CC/CPステップ値を最大100,000ステップまで設定することが可能です。1ステップあたり100ms~999.9sの時間幅で設定できます。また、ステップごとにCV電圧の設定が可能なため、各種規格試験のテストパターンやシミュレーションパターンなど複雑な充放電試験にも柔軟に対応できます。
高速データサンプリング
電圧・電流計測には24ビットA/Dコンバータを採用。全チャンネル最速10msの連続データ取得が可能です。(データ記録時間は10ms、100ms、1sの中から選択)さらにデルタ電圧、デルタ電流の設定により、設定値を超えて電圧及び電流が変化した場合にもデータ取得が可能です。 *時間設定を短く指定した場合には、記録されるデータ量が多くなります。試験時間が長い場合(数時間以上)には、データ数が数千~数万になります。注意して設定してください。
充実の保護機能
ハードウェア本体及びソフトウェアにて過充電・過放電等の保護機能を備えています。更に本体には経路スイッチが内蔵されており、異常を検出した際に速やかに試験を中断する高速遮断機能を装備しています。 保護設定の主な項目と設定範囲
Cレート設定機能で複雑な試験条件を簡単に変更
多様化する充放電試験のニーズに対応するため、Cレート設定機能を実装しました。プロファイルの充放電電流値を、公称容量入力値を基準とするCレート値で設定することが可能です。これにより数種類の電池を同じCレート条件及び試験パターンで試験したい場合には、公称容量入力値を変更するだけで、全プロファイルに試験条件が適用できます。 Test Condition Editor
高精度計測の実現
高精度計測回路が内蔵により、電池電圧、および充放電電流を高精度に検出します。(電圧計測:100μV分解能、電流計測:100μA分解能)
任意のポイントから試験を再開
停電やアラーム発生、またはユーザーご自身の操作により試験を停止した場合に、任意のポイントから試験を再開することが可能です。 プロファイル指定
全チャンネル完全独立動作
各チャンネルは完全に独立しており、異なる試験条件、タイミングによる制御が可能です。
手軽にファームウェアを更新
当社WEBサイトからファームウェアアップデータをダウンロードすることで、PFX2731Sのファームウェアを最新の状態に更新できます。
多彩な充放電終止条件
充電終止条件および放電終止条件は、電圧、時間、温度の設定のみならず、It電流値やSOCによる終止条件も設定することができます。
SD035-PFX BPChecker4000
BPChecker4000を使用することで、バッテリの充放電特性試験の条件設定や実行、試験結果の保存を行うことができます。BPChecker4000は、試験条件を作成するTest Condition Editorと試験を実行するTest Executiveの2つのプログラムによって構成されています。
仕様
定格出力
設定確度
Static
| 項目 | 仕様 | ||
|---|---|---|---|
| 定電流充放電 | 2Aレンジ | 範囲 | 0.0000A〜2.0000A |
| 確度 *1 | ±(0.15% of setting + 1.0 mA) | ||
| 分解能 | 0.1mA | ||
| 20Aレンジ | 範囲 | 0.000A〜20.000A | |
| 確度 *1 | ±(0.15% of setting + 10.0 mA) | ||
| 分解能 | 1mA | ||
| 定電圧充放電 | 範囲 | -1.000V〜6.000V | |
| 確度 *1 | ±(0.05% of setting + 1.2 mV) | ||
| 分解能 | 1mV | ||
| 定電力充放電 *2 | 2Aレンジ | 範囲 | -0.100W〜12.000W |
| 確度 *1 *3 | ±(0.5% of setting + 0.01 W) | ||
| 分解能 | 1mW | ||
| 20Aレンジ | 範囲 | 0.10W〜120.00W | |
| 確度 *1 *3 | ±(0.5% of setting + 0.1 W) | ||
| 分解能 | 10 mW | ||
Pattern
| 項目 | 仕様 | ||
|---|---|---|---|
| 定電流パターン | 2Aレンジ | 範囲 | -2.0000A〜2.0000 A(- 値は放電電流) |
| 確度 *1 | ±(0.15% of setting + 1.0 mA) | ||
| 分解能 | 0.1mA | ||
| 20Aレンジ | 範囲 | -20.000A〜20.000A | |
| 確度 *1 | ±(0.15% of setting + 10.0 mA) | ||
| 分解能 | 1mA | ||
| 設定数 | 100000step(最大ステップ数) | ||
| 範囲 | 100ms〜999.9s(1 ステップの時間幅) | ||
| 分解能 | 100ms | ||
| 切替時間 *4 | 最大100ms | ||
| 定電力パターン *2 | 2Aレンジ | 範囲 | -12.000W〜12.000 W(-値は放電電流) |
| 確度 *1 *3 | ±(0.5% of setting + 0.01W) | ||
| 分解能 | 1mW | ||
| 20Aレンジ | 範囲 | -120.00W〜120.00W | |
| 確度 *1 *3 | ±(0.5% of setting + 0.1W) | ||
| 分解能 | 10mW | ||
| 設定数 | 100000step(最大ステップ数) | ||
| 範囲 | 100ms〜999.9s(1 ステップの時間幅) | ||
| 分解能 | 100ms | ||
| 切替時間 *4 | 最大100ms | ||
*1 周囲温度:18℃~28℃の範囲において。 *2 電池電圧を計測して、設定された電力値からソフトウェア演算により制御電流(定電流制御)を算出しています。 *3 電池電圧範囲1V~6V 以上において。 *4 充電→放電、放電→充電 の切替に必要な最大時間。
計測確度
| 仕様 | |||
|---|---|---|---|
| Static/ Pattern | |||
| 充放電 電流計測 | 範囲 | 2Aレンジ | -2.00000A〜2.00000A |
| 20Aレンジ | -20.0000A〜20.0000A | ||
| 確度 *1 | 2Aレンジ | ±(0.15% of reading + 1.0 mA) | |
| 20Aレンジ | ±(0.15% of reading + 10.0 mA) | ||
| 分解能 | 2Aレンジ | 0.01mA | |
| 20Aレンジ | 0.1mA | ||
| 電圧計測 | 範囲 | -2.0000V〜7.0000V | |
| 確度 *1 | ±(0.05% of reading + 1.2 mV) | ||
| 分解能 | 0.1mV | ||
| 入力抵抗 | 10GΩ(-2V〜7Vの範囲において) | ||
| 電力計測 | 範囲 | 2Aレンジ | -12.000W〜12.000W |
| 20Aレンジ | -120.00W〜120.00W | ||
| 確度 | ソフトウェア演算(電圧計測 × 電流計測) | ||
| 分解能 | 2Aレンジ | 1mW | |
| 20Aレンジ | 10mW | ||
| 容量計測 | 範囲 *2 | -100.0000Ah〜100.0000Ah | |
| 確度 | ソフトウェア演算(電圧計測 × 電流計測) | ||
| 分解能 *2 | 0.1mAh | ||
| 時間 *3 | 確度 *1 *4 | ±10ppm(TYP 値) | |
*1 周囲温度:18℃~28℃において。 *2 2A/20Aレンジ共通。 *3 充放電時における経過時間に用いる信号源の確度。 *4 月差30秒相当。
温度計測
充放電終止条件リスト
| 充放電モード | 終止条件 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 最大 電圧 | 最小 電圧 | 充電または放電開始 からの定めた時間 | 定電圧動作開始 からの定めた時間 | 定電圧動作開始 からの定めた電流 | It Currentを 下回った後の 定めた時間 | -dV (マスク時間 設定可) | dT/dt (℃/min) | 積算電流 (Ah) | 積算電力 (Wh) | 最大 SOC | 最小 SOC | パターン充放電 開始からの時間 | ループ (繰り返し) 回数 | 電池 温度 | |
| 定電流充電(CC) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| 定電流−定電圧 充電(CC-CV) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| 定電力充電(CP) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
| 定電力−定電圧充電(CP-CV) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| 定電流放電(CC) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
| 定電流−定電圧 放電(CC-CV) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| 定電力充電(CP) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
| 定電力−定電圧放電(CP-CV) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| パターン定電流充放電(Pattern) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
保護機能
過電圧(過充電)保護
| 項目 | 仕様 | |||
|---|---|---|---|---|
| 過電圧(過充電)保護 | ||||
| ソフトウェア OVP | 設定範囲 | 0.000V〜6.300V | ||
| 分解能 | 1mV | |||
| 設定確度*1 | 電圧計測確度に依存 | |||
| 動作時間 | 最大50ms | |||
| ハードウェア OVP *2 | 設定範囲 | 0.0V〜6.6V | ||
| 分解能 | 100mV | |||
| 設定誤差*1 | ±0.5% of rating | |||
| 動作時間 | 10ms(TYP 値)過電圧の検出から出力遮断まで | |||
低電圧(過放電)保護
| 項目 | 仕様 | |||
|---|---|---|---|---|
| ソフトウェア UVP | 設定範囲 | -1.100V〜5.700V | ||
| 分解能 | 1mV | |||
| 設定確度*1 | 電圧計測確度に依存 | |||
| 動作時間 | 最大50ms | |||
| ハードウェア UVP *2 | 設定範囲 | -1.1V〜6.0V | ||
| 分解能 | 100mV | |||
| 設定誤差*1 | ±0.5% of rating | |||
| 動作時間 | 10ms(TYP 値)低電圧の検出から出力遮断まで | |||
過電流保護
| 項目 | 仕様 | |||
|---|---|---|---|---|
| ソフトウェア OCP | 設定範囲 | 充電 | 2Aレンジ | 0.000A〜2.100A |
| 20Aレンジ | 0.000A〜21.000A | |||
| 放電 | 2Aレンジ | 0.000A〜2.100A | ||
| 20Aレンジ | 0.000A〜21.000A | |||
| 分解能*3 | 1mA | |||
| 設定確度*1 | 電流計測確度に依存 | |||
| 動作時間 | 最大50ms | |||
| 遅延時間 | 0ms〜検出遅延タイマーの時間設定 | |||
| ハードウェア OCP *2 | 設定範囲 | 充電/ 放電 | 2Aレンジ | 0.0A〜2.2A |
| 20Aレンジ | 0.0A〜22.0A | |||
| 分解能*3 | 100mA | |||
| 設定誤差*1 | ±0.5% of rating | |||
| 動作時間 | 10ms(TYP 値)過電流の検出から出力オフまで | |||
過充放電容量保護
温度(過温度)保護
一般仕様
| 項目 | 仕様 | |
|---|---|---|
| 公称入力定格 | 200Vac〜240Vac、50Hz/60Hz、単相 | |
| 入力電圧範囲 | 180Vac〜250Vac | |
| 最大消費電力 | 最大1870VA1フレーム(6 チャンネル)定格充電時 | |
| 環境条件 | 動作温度 | 0℃〜40℃ |
| 湿度範囲 | 20%rh〜85%rh(結露なし) | |
| 保存温度 | -10℃〜60℃ | |
| 湿度範囲 | 0%rh〜90%rh(結露なし) | |
| 動作環境 | 屋内、過電圧カテゴリII | |
| 高度 | 2000mまで | |
| 対接地電圧 | 入出力端子⇔シャシ | 最大±50V |
| 絶縁抵抗 | 一次⇔シャシ | 500Vdc、30MΩ以上、70%rh以下 |
| 一次⇔入出力端子*1 | 500Vdc、30MΩ以上、70%rh以下 | |
| 入出力端子⇔シャシ*1 | 50Vdc、30MΩ以上、70%rh以下 | |
| 耐電圧 | 一次⇔シャシ | 1500Vac、1 分間にて異常なし |
| 一次⇔入出力端子*1 | 1500Vac、1 分間にて異常なし | |
| 外形寸法(最大寸) | 440(482)W×173 H×620(695)Dmm | |
| 質量 | 約34kg | |
| 付属品 | 電源コード×1、後面パネルカバーセット×1、温度測定ボックス×6、温度測定用ケーブル×6、TRIPコネクタ×1、シグナルI/Oコネクタ×1、LANケーブル×1、重量物警告シール×1、取扱説明書(和・英)×1、安全のために×1 ※ケーブルセットは付属されておりません。 オプションのケーブルセットを本体と合わせてご購入ください。 | |
| 電磁適合性*2 *3 | 以下の指令および規格の要求事項に適合 EMC 指令2014/30/EU *3 EN 61326-1 (Class A*4) EN 55011 (Class A*4、Group 1*5) EN 61000-3-2 EN 61000-3-3 適用条件 本製品に接続するケーブルおよび電線は、 すべて5m未満を使用 | |
| 安全性*2 | 以下の指令および規格の要求事項に適合 低電圧指令 2014/35/EU *3 EN 61010-1 (Class I*6, 汚染度2*7) EN 61010-2-030 | |
*1 入出力端子とは試料に接続する充放電端子、電圧センシング端子、外部信号入出力を示します。 *2 特注品、改造品には適用されません。 *3 本体にCE マーキング/ UKCA マーキングの表示のある製品に対してのみ *4 本製品はClass A 機器です。工業環境での使用が意図されています。 本製品を住宅地区で使用すると干渉の原因となることがあります。 そのような場合には、ラジオやテレビ放送の受信干渉を防ぐために、ユーザによる電磁放射を減少させる特別な措置が必要となることがあります。 *5 本製品はGroup 1 機器です。本製品は、材料処理または検査/分析のために、電磁放射、誘導および/または静電結合の形で意図的に無線周波エネルギーを発生/使用しません。 *6 本製品はClass I 機器です。本製品の保護導体端子を必ず接地してください。 正しく接地されていない場合、安全性は保証されません。 *7 汚染とは、絶縁耐力または表面抵抗率の低下を引き起こし得る異物(固体、液体、または気体)が付着した状態です。汚染度2 は、非導電性の汚染だけが存在し、ときどき、結露によって一時的に導電性になり得る状態を想定しています。
特に指定のない限り、仕様は下記の設定および条件に準じます。
- ウォームアップ時間は、30分とします。
用語の定義は下記のとおりです。
- TYP値:周囲温度23℃の代表的な値です。性能を保証するものではありません。
- setting:設定値を示します。
- reading:読み値を示します。
- rating:定格値を示します。
- Static:CC充電/CC-CV充電/CC放電/CC-CV放電/CP放電/CP-CV放電の総称です。
- Pattern:パターン充放電の総称です。
C レート入力対応
- 各CC値/パターン充放電のステップ電流値/リミット電流値/終止条件の電流容量値/Itカット電流値はCレートで設定できます。
- Cレート計算仕様 公称容量設定値を1Cとします。
Cレートの設定範囲/0.001~99.999(レンジ共通)
Cレート→電流値/容量値換算結果は制御分解能以内に四捨五入されます。







