
充放電システムコントローラPFX2500
シリーズ
- 電動工具
- ロボット
- 電動バイク
- EV
- 定置型蓄電パワコン
キクスイの直流電源[PWR等]と電子負荷装置[PLZ-5W]でつくる充放電試験システム!専用アプリケーションソフトで試験条件の設定から実行、試験結果の解析まで一括管理。
性能
新エネルギー活用に不可欠な蓄エネ機器。
基本テストからシミュレーションまで充放電測定をフルサポート。
充放電システムコントローラPFX2512/PFX2532は、試料(二次電池などの蓄電素子)の特性を評価するために当社製の直流電源、電子負荷装置と組み合わせて、バッテリ等の充放電電圧/電流を高精度で測定する、充放電制御専用のコントローラです。直流電源、電子負荷装置の組み合わせによって、高性能、大容量、幅広い定格の評価試験への対応も可能です。試験の実行は専用のアプリケーションソフトウェアにより行います。多重化された保護機能により長時間の連続試験、恒温層との同期試験にも対応しています。さらに充実したグラフ機能によりデータ編集も容易に行う事ができます。
複雑なシステムを1台に集約
PFX2532、2512は、電池評価に必要なシステムを1台に集約しました。またニーズに合わせて汎用品である当社製直流電源(充電用)と当社製電子負荷装置(放電用)を選択して組み合わせることが可能なので、自由度が高く幅広い定格に対応します。希望の充放電試験条件に合った機器を選択することで、導入コストを抑えることもできます。
簡単セットアップ
セットアップはユーザー様で可能です。PFX2532、2512組合わせ対応モデルであれば、すでにお持ちの直流電源および電子負荷装置もセットアップしてご活用頂けますので、ローコストで試験システムを構築することができます。
デジタル定電流(CC)/定電圧(CV)制御
デジタル定電流(CC)/定電圧(CV)制御方式の採用によって、システム構成機器(直流電源/電子負荷装置)の違いによる定電流(CC)/定電圧(CV)の設定確度やドリフト特性の差違を最小限にし、高精度の試験ができます。システム構成後の調整作業は一切不要です。
高精度計測の実現
高精度計測回路が内蔵されています。電池電圧、および充放電電流を高精度に検出します。(電圧計測:100μV 分解能、電流計測:100μA 分解能、経過時間測定:月差30 秒以内(10 ppm 以内))また、捕捉が難しいパルス電流でも、真の電力量、積算容量の測定が可能です。
安心の保護機能
ハードウェア本体およびソフトウェアにて過充電・過放電等の保護機能を備えています。コントローラ本体には、経路スイッチ(ロードスイッチ)が内蔵されています。経路スイッチは試料(電池)と直流電源/電子負荷装置との接続を確実にする機能と、異常検出時に直流電源/電子負荷装置を速やかに切り離す高速遮断機能を装備しています。さらに、感震センサにより、災害時など充放電試験中に大きな揺れや衝撃を感知して出力をオフし、接続した機器や試料(電池)の損傷を防止します。
10000ステップのパターン充放電機能
CC╱CP(V, I リミット付)ステップ値を10000 値まで設定することが可能です。高速充放電切り替え制御が機能して、最小100ms のステップ時間幅で、複雑な充放電試験が可能になります。各種規格試験のテストパターンやシミュレーションパターンの生成などに幅広く対応します。
計測機能の拡張が可能
オプションの電圧・温度計ユニットOP02-PFXを装着することで、電圧4点、温度4点の計測ポイントを増設できます。オプションボード用のスロットは3箇所あるので、最大、電圧12点、温度12点まで計測ポイントの増設が可能です。
さらに、オプションの電圧計ユニットOP03-PFXを拡張スロットSL01-PFX*1 に装着することで、8点の中間セル電圧計測も可能になります。拡張スロットSL01-PFXの全てのスロットにOP03-PFXを装着すると64点まで電圧の計測ポイントを増設できます。
*1:SL01-PFXに電圧・温度計ユニットOP02-PFXを実装することはできません。SL01-PFXを使用する場合は、PFX2532╱2512内部の拡張スロットを1枚分占有します。
充放電試験の内容
電池を作る側、使う側に関わらず、電池に対する様々な電気的特性試験を行うことができます。
I-V特性試験/サイクル特性試験/充放電レート試験/温度特性試験/充放電効率試験/容量測定試験/保存特性試験/容量変化試験/実負荷模擬試験/BMS検証試験
シームレスな充放電の実現により規格試験パターンにも対応
従来は電源装置と電子負荷装置の切り替えに一定の時間が必要でした。PFX2512、2532では電源装置と電子負荷装置を同時に制御することで、継ぎ目のない充放電切り替え(シームレス充放電)を実現しました。このことにより、電気自動車やハイブリッド自動車はもとより、電動バイクや電動アシスト自転車など、充放電を繰り返し息継ぎ無く行う用途やピークシフトの為の無停電電源用途など、その複雑な用途を再現する特性試験やIEC62660規格などの充放電を連続的に行う規格試験パターンへの対応が可能となりました。
最速1ms 高速データサンプリングを実現
指定した電圧、電流ステップをトリガとして、最小1ms(1プロファイル毎に最大6000ポイント) の電圧計測/電流計測が可能です。ステップ電流に同期した精度の高い電圧波形が取得できますので、試料のインピーダンス解析や寿命判定の評価に最適です。
- サンプリング速度:1ms/10ms/100msから選択
- セル電圧計:サンプリング100ms固定(OP02-PFX装着時)
- 4種類の計測開始トリガ(充放電開始直後/充放電終了直前)
- 6000サンプリングストア6s@1ms/60s@10ms/600s@100ms
6Vレンジで単セル評価をより高精度に
PFX2512、PFX2532は、電圧レンジ切り替え6V/60Vを装備。6Vレンジ確度±(0.05% of reading + 0.04% of rating)、60Vレンジ確度±(0.05% of reading + 0.02% of rating)。スタックされた組み電池に加え、単セルでの特性試験もより高精度に行う事が出来ます。
CAN通信対応
PFX2512、PFX2532(BPChecker3000)は、通信ログ、解析、エミュレート機能などを付加した専用アプリと通信する事が出来ます。これにより充放電制御とログ区間の同期、専用アプリから充放電制御するなど多様な要求に対応する事が出来ます。詳しくはP6、7をご参照ください。
システム構成
仕様
概略仕様
定格出力
PFX2512 | PFX2532 | ||
---|---|---|---|
出力数 | 1 ch | 1 ch | |
充電電流範囲*1 | 0.000A〜50.000A | 0.000A〜200.000A | |
充電電圧範囲*1 | 60Vレンジ | 0.000V〜60.000V | 0.000V〜60.000V |
6Vレンジ | 0.000V〜6.000V | 0.000V〜6.000V | |
放電電流範囲*1 | 0.000A〜50.000A | 0.000A〜200.000A | |
放電電圧範囲*1*2 | 60Vレンジ | 0.000V〜60.000V | 0.000V〜60.000V |
6Vレンジ | 0.000V〜6.000V | 0.000V〜6.000V |
計測確度
PFX2512 | PFX2532 | |||
---|---|---|---|---|
Static | ||||
充放電 電流計測 | 範囲 | 0.0000A〜 50.0000A | 0.000A〜 200.000A | |
確度*3 | ±(0.15 % of reading + 0.02 % of rating) | ±(0.2 % of reading + 0.1 % of rating) | ||
分解能 | 0.1mA | 1mA | ||
電圧計測 | 範囲 | 60Vレンジ | -6.0000V〜 60.0000V | -6.0000V〜 60.0000V |
6Vレンジ | -1.0000V〜 6.0000V | -1.0000V〜 6.0000V | ||
確度*3 | 60Vレンジ | ±(0.05 % of reading + 0.02 % of rating) | ±(0.05 % of reading + 0.02 % of rating) | |
6Vレンジ | ±(0.05 % of reading + 0.04 % of rating) | ±(0.05 % of reading + 0.04 % of rating) | ||
分解能*4 | 0.1mV | 0.1mV | ||
電力計測 | 範囲 | 0.000W〜3000.000W | 0.0W〜12000.0W | |
確度 | ソフトウェア演算(電圧計測╳電流計測) | |||
分解能 | 1mW | 100mW | ||
電流 容量計算 | 範囲 | 0.000Ah〜2000.000Ah | 0.000Ah〜2000.000Ah | |
確度 | 電流計測確度と時間確度に依存 | |||
分解能 | 1mAh | 1mAh | ||
時間*5 | 確度*3*6 | ±10 ppm(TYP 値) | ±10 ppm(TYP 値) |
*1 接続する電源装置、電子負荷装置の機種、配線状態、充放電タイプ等により範囲が異なります。 *2 接続する電子負荷装置の機種、配線状態等により、放電可能な最低電圧が異なります。 *3 周囲温度 : 18℃~ 28℃にて *4 6V/60Vレンジ共通 *5 充放電時、休止時における経過時間(終止条件)の確度 *6 月差30秒相当
PFX2500シリーズ仕様比較
項目 | PFX2512 | PFX2532 |
---|---|---|
定格 | 60V/50A | 60V/200A |
通信インターフェイス | LAN | LAN |
モニタデータ最小記録間隔 | 0.1s | 0.1s |
高速データサンプリング*4 | ○(1ms/10ms/100msから選択 1Profile毎に最大6000ポイント) | |
充放電モード | 計9モード 充電:CC、CC-CV(セルCV*1) 放電:CC、CP、CC-CV(セルCV*1)、CP-CV(セルCV*1) その他:Pattern(CC、CP、セルCV*2)、I-V、Pause | |
試験条件構成 | 充電、放電等、個別のプロファイル設定(無制限) 充放電結果からの条件分岐機能あり | |
シームレス充放電 | ○(レスポンス 50ms以内(TYP値)*3) | |
休止条件 | 温度条件による、時間可変機能有り |
*1 オプションの電圧/温度計ユニットOP02-PFX、または電圧計ユニットOP03-PFX 装着時のみ設定可能。 *2 オプションの電圧/温度計ユニットOP02-PFX、または電圧計ユニットOP03-PFX 装着時のみ設定可能。ステップ時間が500ms以上で使用可能。 *3 充放電電流が設定値(定格値)の10%から90%に至るまでの時間で定義しています。 *4 本体電圧計/電流計が対象となります。(セル電圧計には対応していません)
ラインアップ
※SD007-PFXはPFX2512、2532の動作に必須の製品となります。
2500シリーズとの組合わせ
動作検証済みの組合わせ(モデルID)
動作検証済みの組合わせにはモデルIDを用意しています。モデルIDが確定していない組合わせをご希望される際は別途ご相談ください。
モデルID | 充電用電源 | 放電用電子負荷 |
---|---|---|
PFX2512 | ||
7103 | PWR1600L | PLZ1004W×2(並列)*2 |
7105*4 | PAT60-67T | PLZ1004W+2004WB*1 |
7106 | PWR1600L | PLZ1004W*2 |
7107 | PAS10-70 | PLZ1004W*2 |
7110 | PAS40-27 | PLZ1004W*2 |
7112 | PAS10-35 | PLZ334W*2 |
7119 | PWR1600L | PLZ1004W+2004WB*1 |
PAS60-12 | PLZ1004W*2 | |
PWR1600L | PLZ664WA*2 | |
7122 | PAS60-12 | PLZ664WA*2 |
7124 | PAS40-9 | PLZ1004W*2 |
7125 | PWR1600L | PLZ664WA*2 |
7126 | PWR801L | PLZ1004W*2 |
7127 | PWR801ML | PLZ1004W*2 |
7128 | PWR1201L | PLZ1004W*2 |
7151 | PWR401L | PLZ205W*2 |
7152 | PWR401ML | PLZ205W*2 |
7153 | PWR401L | PLZ405W*2 |
7154 | PWR401ML | PLZ405W*2 |
7155 | PWR801L | PLZ1205W*2 |
7156 | PWR801ML | PLZ1205W*2 |
7157 | PWR1201L | PLZ1205W*2 |
7158 | PWR1201ML | PLZ1205W*2 |
7159 | PWR1201ML | PLZ1205W×2(並列)*2 |
7160 | PWR1201ML | PLZ1205W+2405WB*1 |
モデルID | 充電用電源 | 放電用電子負荷 |
---|---|---|
PFX2532 | ||
7301 | PWR1600L×2(並列) | PLZ1004W*2 + 2004WB |
7302 | PAT60-133T | PLZ1004W*2 + 2004WB×2(並列)*3 |
7303 | PAT40-200T | PLZ1004W*2 + 2004WB×2(並列)*3 |
7304 | PAT40-200T | PLZ1004W*2 + 2004WB |
7305 | PWR1600L | PLZ1004W*2 |
7306 | PAT40-200T | PLZ1004W*2 |
7307 | PWR1600L | PLZ1004W×2(並列) |
7351 | PWR1201L | PLZ1205W*2 |
7352 | PWR1201L | PLZ1205W×2(並列)*2 |
7353 | PAT60-133T | PLZ1205W+2405WB×2*2 |
7354 | PAT40-200T | PLZ1205W*2 |
7355 | PAT40-200T | PLZ1205W+2405WB*2 |
7356 | PAT40-200T | PLZ1205W+2405WB×2*2 |
7357 | PAT40-200T | PLZ1205W+2405WB×3*2 |
7358 | PAT40-200T | PLZ1205W+2405WB×4*1 |
7359 | PAT80-100T | PLZ1205W+2405WB×4*1 |
*1 Mレンジ *2 Hレンジ *3 当社製 大容量直流電子負荷装置スマートラックシステムPLZ5004W SRと置換え可能です。 *4 別途、接続ケーブルが必要になります。詳細については、当社営業にお問い合わせください。
※ PWR-01シリーズとPFX2500シリーズの接続にはSC07-PFX(オプション)が必要です。
※ PLZ-5WシリーズとPFX2500シリーズの接続にはSC05-PFX(オプション)が必要です。
充電用電源選定時の注意(経路損失について)
充電電流が流れることでDUTケーブルや接続ケーブル、PFX2500 シリーズ電流パス回路等に電圧降下が生じます。この電圧降下による充電時の電力損失が経路損失です。充電
に利用可能な最大電力は、経路損失を差し引いた値になります。
[充電最大電力 = 直流電源最大定格電力ー経路損失]
放電用電子負荷装置選定時の注意(放電最低動作電圧)
電子負荷装置には最低動作電圧(PLZ1004W では 1.5V)があり、これ以下の電圧では動作できなくなります。さらに経路損失(電圧降下)を加えたものが、放電最低動作電圧となります。
[放電最低動作電圧 = 電子負荷装置最低動作電圧+経路損失による電圧降下]